ただ言えることはその子たちにとって「学校は行きたくない場所」ということです。
「学校は怖い」
「私のことなんて誰もわからないんだ」
このような気持ちを抱えて一人で苦しんでいる子供たちが多いのです。不登校と向き合う時、私たち大人は「学校は楽しくない」という気持ち理解してあげること、ここが出発点なのではないかと思っています。
今年、公表された不登校の児童生徒は14万4,031人、小学生が3万5,032人、中学生が10万8,999人となっています。不登校の子を抱えている保護者も苦しんでいますが、多くの教師たちも苦しんでいます。心ある人ほど苦しんでしまうのです。
対策もさまざまに議論されています。私たちとしては、「学校に行かなくても良い」と考えています。しかし、社会に出てから困らないだけの基礎的知識をつけてあげることは、保護者の役割だと思っています。そのためには、通信制の学校を選択することも必要ですし、渡部昇一先生が生前提唱されていたように「塾を学校と認める」ことや、さらには、ホームスクールでの学習を認定するという方向、つまり「学校でなくても学習できる」という制度改革が必要だと考えています。
ただ、根本には子供自身の意欲がなければ、何をやっても無意味だとも言えます。ですから、自主独立の精神、自立する心、挑戦する勇気、強い精神力、感情をコントロールする力などなど、日頃から気にかけて、本人が成長する方向でサポートしていく必要があると思っています。
12月、これから、クリスマスもありますし、冬休みもあります。そしてお正月も間もなくです。子供たちにとってはうれしい日が続きます。そんな中、落ち込んでいる子もいると思います。ぜひ、お話を聴く時間をとってあげて下さい。なにかご不安なことがありましたら、ご遠慮無くご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
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