環境倫理からみた企業への投資指標
ESGという投資指標があります。環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を並べたものです。社会や環境を意識した投資は、同時に財務リターンも高く、また投資リスクが小さいことから、社会や環境を意識した経営戦略は、企業利益や企業価値向上に繋がるため、今や一般的な投資手法とまでなっています。
ESGにはさまざまな個別指標があります。その中にネガティブスクリーニングという指標があります。環境を破壊し倫理に反する特定の業界の株式や債券を投資対象から除外する投資指標です。業界例には、武器、たばこ、原子力発電、ポルノ、ギャンブル、化石燃料などの会社があります。国際規範スクリーニングという投資指標もあります。環境破壊や人権侵害など国際的な規範を基に、最低限の基準を達していない企業の株や債券を投資対象から除外する手法です。
上記の2指標は除外スクリーニングですが、選抜型の指標もあります。ポジティブ・スクリーニングなどです。これはESGに優れた銘柄のみを選抜して投資する手法です。人権、環境、従業員対応、ダイバーシティなどを評価しています。このように、投資家が企業を評価する基準に、環境や健康、倫理が含まれてきており、私たちも企業が環境や健康を意識する企業を見分けることができるようになりました。日本人もぜひ、これを参考にして、投資だけでなく、消費の選択をすることをお勧めします。
文献 ● Koh, HK. et al. Health as a Way of Doing Business. JAMA. Published online December 6, 2018.
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