これは、国という大きな単位ではなく、学級レベルからの教育でもいえる。学級が不幸集団になれば、自分も不幸になるというのは、容易に実感できる。自分だけが幸せならいい、という個人の集まる集団は、全員が間違いなく不幸になる。
子どもたちを「平和的な学級」の形成者として、真理と正義が通る集団に育てる必要がある。それぞれの個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじる集団にする必要がある。その上で、自主的精神に充ちた心身ともに健康な子どもの育成を期して計画的に運営していく責務が、担任にはある。
自分さえよければ、集団はどうでもいいという子どもには絶対にしない。自分も幸せ、仲間も幸せという状態を愛する子どもにしていく。
それには、子どものもつ能力を伸展させることである。それには、子ども同士をつなげることである。自分の存在そのものを認め、他人の存在そのものを認めることである。差異を「明らかに認める」ようにしかけていくことである。
国への誇りをもつことは大切である。しかし、それには長い時間がかかるかもしれない。まずできることとして、子どもが自分の学級、学校、そして地域への誇りをもてるようにしたい。
ページ: 1 2