出すものを出せ。北方2島返還を焦る日本を弄ぶ強かなプーチン

shima20190331
 

一時期は二島先行返還で新展開が見られるかと注目された北方領土問題ですが、さして目立った進展もなく、既に25回の首脳会談を重ねている日本とロシア。ロシア側に隠された意図でもあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では著者の嶌さんが、北方領土を巡る日ロ両国の立場や認識を改めて解説した上で、当地に関する日本とロシアの認識のズレを指摘。さらに「そろそろ成果を出さなければ安倍外交は愛想をつかされる」としています。

北方領土でしゃぶりつくすロシア?

北方領土を巡る25回目の日ロ首脳会談も交渉決裂を避けただけで成果のないまま終えた。日本は長年の四島返還の主張を色丹島と歯舞群島の二島返還に実質的な的を絞り、北方四島の開発インフラ整備に協力するなど安倍政権になってから涙ぐましいほどの努力を続けてきた。そのプロジェクトは優に100を超すともいわれている。しかし首脳会談前に会見したラブロフ外相は「北方領土がロシア領になったことを認めない限り交渉の進展は期待できない」と冷たかった。ただロシア側はラブロフ外相に強硬論を吐かせ、プーチン大統領は笑顔で握手するなど役割を使い分けている印象も強い。

それにしても25回も首脳会談を行ないながら、開発の協力を求めるだけで四島はおろか二島返還の示唆すらないなど、ロシア側には歩み寄りの気配がまるでない安倍首相は手玉に取られている感が強い。

そもそも北方領土は江戸時代初期に松前藩が自分達の領土とみなし、四島の実効支配を確立したことに始まる。その後1855年に日露通好条約を結び、ウルップ島とその南の間に国境があると確認して両国は北方四島が日本領と合意してきた。

ところが日本の敗戦間近だった1945年8月9日にソ連日ソ中立条約を一方的に破棄し9月初めまでに北方四島と千島列島を占領。1万7,300人の日本人島民を強制的に退去させた。この前提として45年2月に米、英、ソ連が千島列島をソ連に引き渡すヤルタ協定を締結。直後、日本の敗戦と51年のサンフランシスコ講和条約で日本は四島放棄となった。

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