お茶の水女子大学名誉教授内田伸子先生の研究でも、難関大学に合格した子は、そうでない子に比べて幼児期にたっぷり遊べていた割合が顕著に高いということがわかっています。アメリカの「ペリー修学前プロジェクト」の研究でも、主体的な遊びをたっぷりして非認知能力が高くなった人は、学歴も収入も高くなることがわかっています。
そして、こういった非認知能力は、自分がやりたい遊びに熱中する生活の中でこそ育つのだということが、科学的かつ学問的研究で明らかになっているのです。なぜ遊びの中で育つかといえば、大好きな遊びをしているとき、子どもの内面で次のような体験や学びが進行しているからです。
「今度はこの遊びをやりたい。これをこういうようにしたい。どうしたらできるかな?そうか、こうすればいいんだ。できた!楽しいなあ。もっとやってみたい。自分はできるはずだ。あれ、うまくいかないなあ。でも、自分はできるはずだからもう少しやってみよう。どうしたらできるかな?こうやったらどうかな?あれ、やっぱりだめだ。もっとこうしたらどうかな?あ、いいぞ、うまくいきそうだ。できた、やったあ。うれしいなあ。あれ、○○君もやりたがってるようだな。誘ってみようかな。一緒にやればもっと楽しいだろうな」
こういう体験や学びは、今流行の言葉で言えば、まさに「主体的な学び」であり、「アクティブ・ラーニング」そのものです。楽しい遊びだから主体的になれるのであり、その過程で人生に大切な非認知能力がグングン伸びるというわけです。
幼稚園・保育園段階で、大人にやらされることばかりが多いと、こういった非認知能力が育ちにくくなります。ということで、幼児期は遊びが一番大切なのです。
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