国「破れて」山河あり?それとも国「敗れて」山河あり?「特徴」と「特長」の違いは?よく使う慣用句や漢字の使い分け、パソコンやスマホの変換任せにしていると恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では、意外と間違いやすい慣用句や漢字の正しい使い方を詳しく解説しています。
変換ミスにご用心 意味の違いを知る
果たしてどちらを使っていいのか迷う言葉があります。
例えば「とくちょう」。文字としては「特徴」と「特長」がありますが、この違いは?
- 「特徴」は特に目立つ点を指します。 例)特徴のある建物
- 「特長」は特に優れた点のことです。 例)部下の特長を生かす
ものづくりで使われる「せいけい」はどうでしょう。成形、成型、整形とありますが、その違いは?
- 「成形」は形を作ることです。 例)プラスチックの成形加工
- 「成型」は型にはめて作ることです。 例)金型成型
- 「整形」は形を整えることです。 例)整形外科
いずれも漢字の意味に即していることが分かります。
では、「時」と「とき」の使い分けは?
- 「時」は文字通り、時期・時間・時刻そのものを示すときに使います。 例)買い時 引け時 時と場合による
- 「とき」は「~の場合」と言い換えられます。
例)いざというとき 社員を採用するときは 困ったときの神頼み
「時」も「とき」も頻繁に使う言葉ですが、書き分けに迷った場合は「とき」と平仮名書きにするとよいでしょう。
変換ミスにご用心 慣用句の間違い
仕事には直接関係ありませんが、慣用句なども文字を取り違えている場合が多くあります。例えば…
- 国敗れて山河あり
ご存じ、杜甫の詩の一節ですが、正しくは「国破れて山河あり」なんですね。国が戦いに敗れたのではなく、国家自体が崩壊してしまった状態が「破れて」です。
そのほか一般的なところでは…
- 効を奏す ⇒ 功を奏す
この場合、効能の「効」ではなく、成功の「功」です
- 歯に絹着せぬ ⇒ 歯に衣着せぬ
衣と書いて「きぬ」。衣服の意味です
- 実もふたもない ⇒ 身もふたもない
ふたのあるいれものの中身という意味合いから「身」
混同しやすいのが次の二つです。
- 是か否か ⇒ 是か非か
是(正しいと認められていること)の対になる言葉は、不正を意味する「非」。打ち消しの「否」ではありません。
- 否の打ちどころがない ⇒ 非の打ちどころがない
この場合も、不正や欠点がないという意味から「非」
いずれも漢字クイズみたいですが、覚えていて損はありません。
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