「障害者の生涯学習」その地域モデル確立に向け必要なものは何か

 

この地域モデルの先駆けとなる佐久市と伊東市での講義テーマは、午前が「物理学の実験からコミュニケーションを考える」(九里秀一郎・浦和大教授)、午後が「コーラスと歌ってう触れ合うコミュニケーション」(ピアノコーラスグループ、サーム)の予定だ。今年度初回の講義と同様で、集まった人同士が触れ合い、学び合うスタイルなので、基本的に楽しむためにきてほしいと考えている。

「うちの子は落ち着きないから」と心配する親御さんもいらっしゃったが、椅子に座っていなくても、スペースは広いから、自由に過ごしてもらって構わないし、座らないことを咎めるつもりもない。それが特別支援教育を内包したこの学びの場だし、どんな人でもその空間で一緒にいることで、何か「つながる」可能性はあるはずと信じることが、この学びの場の基本姿勢である。

この新しい学びの場の可能性や私たちの思いや方針を伝えるのは、難しい。新しい枠組みの新しい概念だから、一人ひとり、一か所一か所、丁寧に説明し仲間を増やすしかない。シャローム大学校の「オープンキャンパス」がむしろ、大学校の宣伝ではないかと誤解されている場合もある。地域でやりたいのは「モデル作り」だけで、その地域で地域の方々が学びの場をそれぞれ作っていただくのが目標だから、シャローム大学校の名前は気にしないでほしいし、なくてもよいとも思っている。

今年の地域モデル確立に向けて、集まる方々への呼びかけはなかなか難しいが、今年に限らず、来年も地域の方々とともに動くことも目標にして、取り組んでいきたい。佐久市は9月25日10時から14時半まで、佐久市の佐久市民創練習センターで、伊東市では10月9日に伊東市観光会館別館で行われる。障がいの有無にかかわらず、すべての人に来てほしい。

image by: Shutterstock.com 

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

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