「韓国ホワイト国外し」寄稿文で河野太郎氏が犯した致命的なミス

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9月4日、積極的な海外訪問外交やSNS発信で定評のある河野太郎外相が、激化する日韓関係問題の本質を以前の日本外交になかった切り口で解説した寄稿文が米国メディアに掲載されました。今回の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』ではAJCN Inc.代表で公益財団法人モラロジー研究所研究員の山岡鉄秀さんが、寄稿文のプラス面とマイナス面について詳しく解説しています。

痛い!惜しい!河野太郎外相のブルームバーグ寄稿文を解析する!

全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。

河野太郎外相が、韓国ホワイト国外し問題についてブルームバーグ紙に寄稿したことが話題になっています。

これまで、日本の外務大臣が積極的に海外発信したことは皆無に等しかったのですから画期的な試みだったと言えるでしょう。

ネット上にも河野大臣を称賛する声が相次いでいます。外国人の友人から、「これでよくわかった」と言われたという喜びの声もありました。

では、その河野大臣の寄稿文を分析してみましょう。

最初に私の評価の結論を述べると、「これまでになく事実に踏み込んでいる点は評価できるがなんとも痛い点と惜しい点がある」です。

「2019年9月4日 日韓間の真の問題は信頼-河野太郎外相」

寄稿文はまず、現在の日韓関係が、第二次大戦中の旧朝鮮半島出身労働者に関して、1965年の国交正常化に伴って両国間で結ばれた合意を韓国が一方的に反故にした為に厳しい状態にあると述べ、続いて、最近の韓国への輸出管理運用の見直しは完全に別の問題だと強調します。

その後、実に8つの段落を使って1965年の日韓請求権協定の内容と、韓国が長く合意事項を認めていながら、最近になって突然一方的に反故にしてきた経緯を説明します。これによって信頼関係が毀損されたことを訴えます。

しかしここで河野外相は再度、ホワイト国外しが朝鮮半島出身労働者問題とは関係ないことを明言します。そして、この決定が安全保障の観点からのみ行われたことを強調します。

簡素化された手続きの運用は継続的な対話を前提としているのにも拘らず、過去3年間韓国が対話に応じていないこと、その間、韓国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したことを述べ、これ以上維持することが困難になったと説明します。

そしてさらに再びこの問題が旧朝鮮半島出身労働者問題に関する報復でも対抗措置でもないことを強調し、その上で、韓国が輸出管理運用見直しへの報復としてGSOMIAを終了させると決定したのは的外れで、北東アジアの安全保障環境を完全に見誤っていると指摘します。

いかがでしょうか?これまでになく事実関係を明確に説明していると言えるでしょうか?

いわゆる旧朝鮮半島出身労働者問題について次のように明言したのは評価できるでしょう。

…日本側からは、個人に対する支払いを提案したが、韓国側は、国として請求した上で、日本から受領した資金の分配は韓国政府の責任で行うと明言した。

やっと言ってくれたか、という感じです。これを読んだ外国人は、「なんだ韓国政府に責任があるんじゃないかと思うでしょう

また、ホワイト国外し問題について、韓国政府が必要な協議に3年間も応じなかったことを明記したのも良かったでしょう。私自身、月刊Hanada10月号掲載の記事で、この事実を強調することの大切さを主張しています(逆に言えば、3年間も放置したのは怠慢ですが)。

このようにいい点がある一方で、私が思わず「イタタタタ!」と叫んでしまった部分と、「惜し過ぎる!」とため息をついてしまった部分があります。

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