温暖化の影響か、四季が感じにくくなってしまった日本。それでも、四季折々の行事などにより季節の移り変わりを感じることはできます。そんな日本人に受け継がれてきた慣習や風習を子どもの世代に残し伝えていくコツをメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが教えてくれます。その方法は、4種類あると言われる家庭教育の中でも大切な3種の教育を実践することになるようです。
子どもに慣習や風習を伝える
今日は、秋分の日にちなんで、日本の慣習や風習を子どもに伝えるコツについてお伝えします。今後ますますグローバル化が進むでしょう。世界で活動するためにも、日本人としての意識を今一度確認することも大切です。
1.イベントにする
子どもに何かを教えたい時は、心に残る伝え方をするのが一番の得策です。そのためには、子どもが遠足を楽しみにするよう、前々から準備をしつつ、「指折り数えて待つ」ようなイベントに仕立てましょう。
2.五感で伝える
イベントといっても、小さなもので良いのです。例えば「中秋の名月を愛でる」ことを伝えたい場合には、子どもと一緒にお月見団子を作ったり、ススキを活けたりしつつお月見の説明をしがてら準備しましょう。
子どもは、準備の段階から耳で聴き、手で触って準備しています。どんなものかな?と想像しているでしょう。ワクワク感が高まったところへ実際に月を目の当たりにし、お団子を食べ、皆と過ごすという時間全てが「五感を使った体験」です。こうした経験が毎年重なり「中秋の名月を愛でる」という慣習が身につくのです。
3.楽しみながら
五感を使った体験は、「義務感」や「仕方なく」という状況ではまったく意味がありません。子どもが楽しめるような環境を作ることが大切です。そのためには、親自身が楽しむことが必要です。年中行事は、家族で楽しむイベントとしてはうってつけです。慣習や風習は体験しながら身につけて行くものです。
家庭教育アドバイス…「4つの家庭教育」
家庭教育には4つの種類があると言われています。しつけ、模倣(倣化)、感化、薫化です。
しつけは、親が働きかけ、子どもも応じて双方が意識して身につけるものです。
模倣は、親が無意識でも、子どもが憧れる存在の大人や親をお手本に、見よう見まねすることで身につけることです。
感化は、親は子供に与える影響を意識し、望ましい方向にもっていくよう心掛け、子どもは無意識のうちにその影響を受けて身につけるものです。
薫化は親も子どもも無意識のうちに身につけるものです。良い空気、雰囲気の中で生活すれば、自然に豊かな情操が養われて育ちに良い影響をもたらす、ということです。
家庭教育は「指導」よりも「倣化、感化、薫化」の3つの影響が大きな比重を占めます。中でも無意識に漂う家庭の空気の影響は非常に大きいものです。親としては絶えず「自己点検」しつつ、言動に配慮しましょう。
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