現役獣医師が教える、犬の「黒い爪」を切るときの3つのポイント

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犬を飼われている皆さんは、日頃から愛犬の爪のケアをしっかりできていますか? でも、なかなか家ではお手入れできないのが現実です。普通は、トリミングに預けた時にプロの方にお願いしている人が多いと思います。でも、お世話をし忘れてしまうと、ケガや病気にもつながる可能性も。そこで、今回のメルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』では、獣医師で全国に約60人しかいない循環器学会認定医の佐藤貴紀さんが、特に難しいとされている「黒い爪」を持つ犬の爪の切り方を分かりやすくレクチャーしています。

家庭で簡単にできる「黒い爪」の子の爪切り方法について

犬の爪には白い爪、茶色の爪、黒い爪がある事は皆さんご存知だと思います。毛色によって分かれていて、毛色が明るい犬は白い爪。毛色が濃い犬は黒い爪の場合が多いとも言われています。

爪には「血管」が通っております。白い爪の子は、血管が見た目で分かるためご家庭でも爪切りができますが、黒い爪の犬種の飼い主さんからは「どこが血管なのか分からない為に困る」というご相談をよく受けます。今回は、黒い犬の爪を切る家庭で簡単にできる方法やコツをお伝えしていきたいと思っております。

1)黒い爪の切り方(3つのポイント)

黒い爪は、知覚部分が見えないので、どこまで切ってよいのかわかりにくいのが事実だと思います。そのため、黒い爪の場合は、少しずつ切り落としていくようにしてください。3つのポイントを押さえていれば大丈夫です。

☆爪切りの3つのポイント☆

  1. 爪先の左右の角を斜めに切っていきます。血管が近づいてくると、爪の感触が少ししっとりしてきます。
  2. 爪の色も少しだけ違いがあります、注意深く少しずつ進めてください。
  3. 爪の切断面を見て、白い膜のようなものが見えてきましたらそこから先は血管なので爪切りはやめてやすりをかけてください。

この方法で、やってみてください。

2)血管を切ってしまい血が出てしまった時の方法

血管を切ってしまった時には、慌てずに「動物用の止血剤」を使ってください。ペットショップや動物病院で簡単に購入できます。

止血剤はパウダータイプで、指に取って出血部につけて数秒押さえてあげると血が止まります。出血が多い場合は、血を清潔なガーゼなどで拭き取ってから止血剤を塗ってあげてください。落ち着いて対処してくださいね。飼い主の動揺は犬をなにより不安にさせますので要注意です。

愛犬とのコミュニケーションのためにも定期的な爪切りを

爪切りは1カ月に一度を目安にして欲しいです。フローリングの床を歩いていて、カチカチと爪が当たる音がしない程度がちょうどよい長さだと言われています。犬の爪の中には血管が通っているので、爪が長く伸びるのに従って血管も伸びていきます。一度伸ばしてしまうと、爪切りをした際に血管を切らなくてはいけなくなります。そのため定期的な爪切りは欠かせません

お家で嫌がる場合には、動物病院でも爪切りはしてくださいますので動物病院にお気軽にご相談ください。ただ、お家でできると愛犬とのコミュニケーションにもなるのでオススメしたいです。

image by: Shutterstock

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satoutakanoriペットは言葉が話せません。痛い時も、嫌な事も飼い主さんたちに伝える事が出来ません。このメルマガでは、そんなペットたちと一緒に快適に過ごす為にはどうしたらいいのか?そして、家庭で簡単に応用できる知識までお伝えしていきたいと思います。病気以外の事も獣医の目線から発信していきたいと思います。

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