恐ろしい自爆営業。元国税が明かす、かんぽより酷い税務署の実態

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過酷なノルマに追われた職員による不正販売が社会的問題となったかんぽ生命ですが、税務署員にも信じ難いノルマが課せられているようです。元国税調査官で作家の大村大次郎さんは今回、メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、自身もかつて苦しめられたという「税務調査での追徴税のノルマ」の実態を暴露するとともに、実績稼ぎのため中小企業に対して重箱の隅をつつくかのような「せこい税務調査」を繰り返す一方で、富裕層にはあくまで甘い国税の姿勢を厳しく批判しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2019年12月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

かんぽよりもひどい!税務署員のノルマ

最近、かんぽの無茶な販売ノルマが社会問題になりましたが、実は税務署でも昔からノルマが存在します。しかも、かんぽなどよりよほどひどいノルマです。

そのノルマというのは、税務調査での追徴税のノルマです。

これを一般の人に説明するには、ちょっと手間を要します。というのも、税務署というのは、一般社会では考えられないような異常な価値観があるからです。

まず税務調査というのは、どういう目的でおこなわれているかについて、説明しましょう。税務調査というのは、納税者の出した申告書に不審な点があるときに、それを確認するために行われる、というのが表向きの目的となっています。もちろん、それも税務調査の目的の一つではあります。

でも、税務調査の本当の目的はそうではありません。本当の目的は、「追徴税を稼ぐこと」です。実は税務署の調査官というのは、追徴税をどれだけ稼ぐかで、仕事が評価されます。だから、必然的に追徴税を取ることが目的とされるのです。

私が税務署員だったころは、各人の調査実績(追徴税の額など)を表にして、職員全員が回覧していました。よく保険の営業所などで、営業社員たちの契約獲得者数が棒グラフにされていたりしますが、あれと同じようなものです。だから税務調査というのは、「追徴税を稼ぐ」という方向で進められていると思った方がいいのです。

ノルマに追われる調査官たち

税務署の仕事は「公平で円滑な税務行政を行う事」などという建前はあります。しかし、現場の人間が実際に求められるのは、前項でも述べたように「税金をどれだけ稼ぐか」ということなのです。税務調査に行って、課税漏れを見つけると、つまりは追徴で課税をします。この追徴税をどれだけとってくるかが、調査官の評価を決めるものでもあります。

もし追徴税が少ない場合は、上司に怒られたり、先輩に厳しく指導されたりします。自分の給料より、とってきた追徴税が少ない場合は、「給料泥棒」だとか「お前は国家に損失を与えている」などと言われたりもします。

追徴税の獲得は、個人個人に課せられているだけではなく、部門や税務署同士でも、競い合わされてもいます。税務署内では、各部門が追徴税の多寡で競争しています。また各税務署同士も追徴税の多寡で競争しています。そして、大きな追徴税を取った調査官たちは、優秀事績として発表され、表彰されます。

ここまでされれば、調査官たちは嫌でもノルマ達成、追徴税稼ぎに没頭しなければならなくなります。私が現場にいたのは十数年前なので、今は変わっているかもしれないとも思ったのですが、後輩の調査官に聞くと今も昔もまったく変わらないようです。

国税庁は、公式には「税務職員にはノルマなど課していない」と言っていますが、追徴税をたくさんとってきたものが出世しているという現実がありますから、事実上ノルマはあるといえるのです。

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