武田教授が猛批判。国民に「温暖化」の嘘を植え付けたNHKの大罪

 

まるで「良い子症候群」に感染したかのようなNHKと日本人

これ以外にも「ヤラセ」に類する報道も多く、日本人が錯覚するのも当然かも知れない。たとえばNHKは子供向けの「みんなのうた」で、北極の気温が上がっていると誤報し、シロクマが「暑い暑いと言っている」という歌を流したが、北極は氷が共存しているので、気温は0℃を大きく離れることはない。これも中学校クラスの科学の知識に反している。

しかし、それでも奇妙です。日本は高等学校全入で、試験の成績も世界で上位の方ですし、塾などで勉強しています。アルキメデスの原理や熱膨張、大陸性気候と海洋性気候、それに氷と水が共存しているときの温度などは中学校の試験に頻繁に出るものですから、日本中が騙されるというほど難しくはないのです。

それに、環境運動家は考えが正しいかどうかは別にして、環境を過度に大切にする人たちだということはわかっていますし、世界の環境運動の多くが利権と強く結びついていることも大人の常識として知っています。

さらに、洋服を買っても、電化製品を買っても、それを作るのに大量のエネルギーを使い、温暖化ガスを排出するのを知っているのに、「節電」と言って電気だけを節約しようとしているのも奇妙です。給料が同じで、貯金も結局は自分が使うということですので、「節約」をしてもその余ったお金でほとんど同じ量の温暖化ガスを出すことも気が付くはずです。

それでも錯覚しているのは、私はNHKの報道によると思っています。

NHKは受信料を取っていますから、お金をくれる国民にNHKがウソをつくということが信じられないので、ちょっと辻褄はあわないけれどNHKの人がこれほど言っているのだから正しいのではないかと素直に思っているのだと思います。

昔は人からお金をもらって、さらにその人を騙すということもありましたが、現在の社会はそれほど悪質な人は日常生活の中にはいません。それがNHKだけなのですから騙されるのも仕方がないと言えるでしょう。

それではNHKは本当に国民を騙しているのでしょうか?

NHKは「政府に忠実で、当たり障りがなく、日本人が信じやすい報道」をしているにすぎません。故意にウソをつこうとしているのではなく、結果的にウソになるように報道しているだけです。北極の氷のことでいえば、氷と水の共存系では気温が上がらないことを知っていますし、シロクマが暑くて困っているということもないのも知っています。それなのに「シロクマが暑い暑いと苦しんでいる」と放送するのは、その方が「NHKは良い子だ」と見えるからです。

日本全体とNHKが良い子症候群に感染しているというのが正しいのではないかと私は思っています。でもそれは幼児化した大人のように見えますし、ここ30年間でアメリカの所得が3倍以上になったのに、日本はほとんど変わらなかったという結果にも表れ、錯覚している日本人が損をするのも仕方がないと思います。(メルマガより一部抜粋)

image by: Shutterstock.com

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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