ラグビー・ワールドカップでの日本代表チームの大活躍は記憶に新しいですが、このような「成果を出せる」チームを作る秘訣はどこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、チームビルディングの視点から、メンバー同士が協力し合い結果につなげることの大切さを、分かりやすく解説しています。
一人ひとりの持ち味が、チーム力を高める
これまでに聴講してきた経営者や管理者を中心とした様々な研修の中では、異口同音に自立・自律型人財の必要性、重要性について取り上げられることがあります。それに加えて、チームビルディングなどといったチームとして結果を出していく、成果を上げていくために必要なことについて触れることも多くあります。
この「自立・自律型人財」と「チーム」を結びつけるためには、どうしていけばいいのでしょうか。
そのひとつとしては、自分と周りの人が、お互いの長所や持ち味などを尊重し、認め合いながら協力していくことが重要だと言えます。しかし、自分自身のことを見る時、または、周りの人のことを見る時には、短所や弱みなどといったマイナス面に視点を置きがちではないでしょうか。
本号では、お互いの長所や利点などを認め合うことについて考察していきたいと思います。
よく言われることとして、「人は一人では生きていけない」ということで、自立・自律型人財だからといって、自分一人だけで、すべてのことをやろうと思っても、それは難しいですね。自分とは違った強み、持ち味などを持つ周りの人たちが協力してくれることによって、自分一人の長所、持ち味などだけでは成し遂げることができないことでも、成し遂げることも可能になるのではないでしょうか。
しかし、周りからの協力、支援などが必要だからといって、自分自身の姿勢が「協力ありき」という依存した姿勢では、周りの人たちから協力などを得ることは難しいでしょう。やはり、自分自身が、協力者がいなくても成し遂げるというような自立・自律的な姿勢を持つからこそ、周りの人たちも、そういった姿勢に共感して、協力してくれるのではないでしょうか。
ここで、お互いが協力することに関する言葉として、衣笠祥雄氏の言葉が挙げます。
人間、自分ひとりでできることには限界がある。だけど、人と力を合わせると、不思議なことに不可能も可能に、夢も現実になっていく。だから、出会う人を大切にするんだよ。
まさに、人の持つ力を認め合い、協力することの大切さ、そして、自分自身として、チームとして目指している物事を実現するための教訓を教えてくれる言葉だと思います。
私たち一人ひとりには、それぞれ長所や持ち味、可能性などを持っているので、まずは、その自分の持ち味、可能性などを、自ら発揮してことが大切で、まさしく、自立・自律的な姿勢を持つことですね。そして、自立・自律的な姿勢を持った一人ひとりの長所や持ち味、可能性を合わせることで、相乗効果を発揮することができるでしょう。
それによって、今まで「できない!」と思っていたことが、「できる!!」ようになったり、目指している物事などの実現につながったりするのではないでしょうか。だからこそ、一期一会の気持ちでの人との出会い、ご縁を大切にして、人とのつながりを育てていくことが、とても大切です。
また、人を認めることによる効果として、「自己肯定感」を高めることにもつながるでしょう。自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態だと言われます。
自分が相手ことを認めると、相手側から見ると、「私は必要とされているんだ」などと感じることができますね。それは、「自己肯定感」を感じることと言えるでしょうね。したがって、相手の長所や持ち味、可能性などを理解し、尊重し、認めるということは、相手の自己肯定感を高めることにつながるでしょう。
そして、お互いが自己肯定感を高め合うことによって、お互いを信頼して、協力するようになり、お互いが実現しようとしている物事を成し遂げることにもつながるのではないでしょうか。
ここまで考察してきたように、これからは、一人ひとりが自立・自律しながらも、自立・自律したもの同士が、協力や連携していくことが、ますます必要になってくるでしょう。
自立・自律したもの同士がチームを組み、お互いに共感した物事を成し遂げようとする場合においては、相手の長所や持ち味などを理解し合って、認め合うことが大切になるのではないでしょうか。
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