新型コロナウイルスの特徴や症状は?現役科学者が「徹底解説」

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日本中に感染が広がる新型肺炎。連日の報道に国民の不安も高まるばかりですが、データを冷静に読む術に長けた科学者は、この未知なるウイルスをどう見ているのでしょうか。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者で現役科学者のくられさんが、「最新情報から判断する新型肺炎の実態」を解説しています。

新型コロナウイルスの肺炎・どうするのが良い?

新型コロナウイルスによる肺炎について、連日、不安を煽るニュースが繰り返されています。

不安に思っている人も多く、状況も少しずつ変わりつつありますが、今回はそんな新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」について可能な限り新しい情報を入れ込みながら、まとめてみました。

新型コロナウイルス、どうなるのか?

中国湖北省、人口1,100万人の大都市、武漢で2019年12月より感染が広まりだした新興感染症。先日、WHOが病名をCOVID-19と更新し、疾病対策に本腰を入れ始めました。

中国の封じ込めや、病院新設などの金と国力にモノを言わせた解決策も功を奏しているようで、感染者が減ってきており、4月には終息するとの発表もある…が、感染症はすでに各地に飛び火しており、どのような形で感染が広がるかは未だ未知数です。

中国も国力の全てをかけてその対応に迫られているという状況で、封鎖された街はゴーストタウンのように、豪華客船の防疫対策に関してはもはや泥試合の場外乱闘状態。

大事なのは中の人の命を如何に守って救うかなのですが、責任を取りたくない人たちと無責任な人たちによって騒ぎだけが広がっています。

マスコミは好奇の目でそうした一面を報道してばかりで、埋もれがちな「これからどうなる?」「どうすればいい?」ということを中心に話を進めましょう。

新型コロナウイルスの特徴

今回の新型コロナウイルスで分かっていることは、潜伏期間が長いということ、そして感染可能期間も長い、ということです。

SARSの潜伏期は2~7日間だったのに比べ、最大で24日間とかなり長いものが見られているのが特徴。現在は2~14日間と落ち着いていると見られていますが、呼吸器全般にウイルスが広がり上気道炎、気管支炎、および肺炎を発症すると考えられています。また、全員が発症するわけでもなく、無症状でウイルスが排除されている例も多くあると考えられるでしょう。

症状は発熱、咳、筋肉痛、倦怠感などインフルエンザ様のいわゆる「ひどいインフルエンザにかかった感じ」に加え、呼吸困難が多く見られます。1週間以上のひどい上気道炎症状が続いたあとに肺炎にレベルアップする例が多いようです。

また頭痛、血の混ざった喀痰(かくたん:タンが出ること)、下痢などを伴うところも特徴的と言えますが、悪化しきるまではインフルエンザなどとの区別は難しいため、簡易検査装置などの開発が望まれます。

感染の広がりと変異の可能性

国内でも、医師の感染が報告されるなどの水面下の広がりを見せております。

突然変異を繰り返し、どんな病原性があるかも分からない…などと報じる噂もありますが、感染症学会の2月の発表では、国内での感染は初期ウイルスと99.9%相同性が見られることから、現在国内のものに関しては1つの株からそれほどズレたものではないと言えるでしょう。

ただし、アメリカ、台湾のものなど、世界的に分析すると遺伝型が異なることから、それらが再度入り込んだり、また再度感染するなど、封じ込めや対策の難しさが浮き彫りになりつつあります。遺伝型が複数存在するということは、例え免疫がついたとしても、別のものに罹患する可能性があるということ。

さらに今回の疾病は免疫が出来にくい可能性を示唆する再感染の報告もあり、問題が終息するまでに長い時間がかかる可能性があります。

また完全には鎮火せず、長期間人間界に居着く可能性もあり、定期的に小規模な感染拡大が見られては、交通制限やイベントの自粛などが定期的に起こるかもしれません。

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