政府は新型コロナウイルス治療薬の候補となっている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、5月中に薬事承認する方向で調整に入ったと時事通信が伝えている。レムデシビルは近くアメリカで承認される見通しで、政府はこれを受け、早期の特例承認をする考えを明らかにした。
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「レムデシビルの『特例承認』に向けて作業を進めている」ワクチン開発も進めば「重症者と死亡者を抑制することが可能になる」
「アビガン」は「特例承認」の対象とせず、国内で治験継続https://t.co/GbYWO737Y8
— 時事メディカル (@jijimedical) April 28, 2020
早ければレムデシビルは5月中にも承認
レムデシビルが初の新型コロナウイルス治療薬として承認される見通しとなったが、少し不思議に思う人もいるのではないだろうか。つい先日までは「アビガン」の話題で盛り上がっていたはず。日本で開発されたアビガンが最も早く承認されると思っていた人は多いと思うが、なぜここへきてレムデシビルの承認が検討されているのか。そこには日本の複雑な仕組みがあった。
そもそもレムデシビルとはどのような薬なのか、今一度確認しておこう。レムデシビルはアメリカのギリアド・サイエンシズという製薬会社が開発中の薬で、エボラ出血熱の治療薬として知られている。
新型コロナウイルスには「重症の患者に効果がある」とされていて、CNNによるとレムデシビルを投与していないグループの致死率が11.2%に対し、レムデシビルを投与したグループの致死率は8.0%だったという。さらに、レムデシビルを投与した患者は回復期間が15日から11日に早まったと記事では伝えている。副作用としては肝機能の低下があるとされている。
一方、アビガンは抗インフルエンザウイルス薬として、日本の富士フィルム富山化学が開発中の薬で、俳優の石田純一さんや脚本家の宮藤官九郎さんが投与され、一定の効果があったことで知られている。主に「軽症の患者に効果がある」とされているが、胎児に影響を及ぼすことが副作用として挙げられている。
レムデシビルとアビガン、このどちらにも共通するのがRNAウイルスの増殖を抑えることで、これが新型コロナウイルスの抑制に効果があるのではと言われている。
では、なぜ今回レムデシビルが特例承認される見通しで、アビガンは特例承認されないのか。それはレムデシビルがアメリカで開発中の薬で、アビガンは日本で開発中の薬だからという理由がある。