世界はどこへ向かうのか?新型コロナウイルスの次のフェーズとは

 

混乱のジンバブエ

【毎日】は8面にアフリカのジンバブエについての記事。見出しから。

ジンバブエ インフレ785%
コロナ影響 混乱に拍車

ジンバブエは2008年に年率2億%を超えるハイパーインフレを経験していて、自国通貨も一時廃止したが、昨年6月に復活させていた。

もともと異常気象による農業不振で、19年にはマイナス成長に陥っていた同国。新型コロナウイルス感染者は28日現在567人で死者も7人と少ないが、ウイルス対応でロックダウン(都市封鎖)を行って経済活動を制限したため、年間の物価上昇率が785%となり市民はインフレに苦しみ、国連開発計画(UNDP)によれば、国民の6割が食糧不足で支援が必要な状態になると推計、GDPも10%マイナスになると見られている。この先、世界的な景気後退の波を受けてさらに大きな打撃を受ける可能性があるという。

●uttiiの眼

この国の状況は単純ではなく、リーマンショック時にハイパーインフレを経験していること、17年にムガベ前大統領による長期独裁政権が倒れたばかりであること、そして、自国通貨はやっと復活したが、既にインフレが起こっていて、新型コロナウイルスの対策でさらに危機的な状況に陥っている。また、コロナ対策を巡って閣僚の職権乱用疑惑が浮上、政治不信も高まっている。

邦楽の危機

【東京】は1面下の定番コラム「筆洗」を取り上げる。なんと、筆洗子は三味線を習って6年になるという。

永井愛さんの『鴎外の怪談』に登場する永井荷風は、いつも出掛けていく時に三味線を抱えているという。実際に華風の三味線は玄人はだしだったそうだ。その華風が東京の夏を美しくするものに数えた三味線の音が、この夏さらに、か細いものになりそうだという。

三味線最大手「東京和楽器」が8月で廃業する。

近年の需要低迷にコロナが追い打ちをかけ、4月5月、注文がゼロだったらしい。糸を押さえる勘所が違うと師匠にしょっちゅう叱られているという筆洗子、最後に「長く日本人を慰め、喜ばせてきた音を守れぬ世の中というのも、どこか勘所がずれている気がする」と憤っている。

●uttiiの眼

三味線がなければ邦楽は成立しない。長唄も端唄も、浄瑠璃も。したがって、歌舞伎でさえ、三味線なくしては成り立たない。この事態をなぜ放置できるのだろうか。文化行政などと呼べるようなものがあるならば、三味線職人はどんなことをしても護らなければならないはずだ。

image by: shutterstock

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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