政府へのコロナ追及は「水掛け論」。その語源の伝統芸能が危機に

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お盆は帰省を自粛してと言いながら、その口で「Go Toトラベル」を推奨する政府の矛盾した対応に、国民から怒りの声があがっています。こうした議論を意に介さない政府・与党を批判しても「水掛け論」に終わるだけですが、ところでこの「水掛け論」の語源をご存知でしょうか? メルマガ『きっこのメルマガ』を発行する人気ブロガーのきっこさんは、コロナ禍によって歌舞伎や狂言、能、落語といった伝統芸能が危機的な状況にあることを紹介しつつ、その伝統芸能の演目が元となった「水掛け論」と「泥仕合」という言葉の語源や海外の同義語について紹介しています。

伝統芸能と「水掛け論」

7月下旬のニュースですが、新型コロナウイルスの感染拡大で5月末までに中止や延期となった落語、歌舞伎、能、狂言など日本の伝統芸能の公演が、計2636件に達したと国立文化財機構の東京文化財研究所が発表しました。これには公演予定を公表する前に中止や延期を決めたケースは含まれていないため、実際にはさらに多いとみられるそうです。同研究所は「技能継承が困難となり、関連産業の衰退につながる」との懸念を述べましたが、すでに注文が途絶えた三味線製造大手「東京和楽器」が廃業の検討に追い込まれるなどの影響も出始めています。

でも、今はすべての職種、業種が大なり小なりダメージを受けていますので、特定のジャンルだけを「助けてくれ」とは言いずらい空気です。あたしの本職のブライダル業界も大打撃を受けていますが、国による支援は何もありません。政府がどのような理由から旅行業界を救うための「Go To トラベル」を最重要視し、緊急経済対策の予算の大半を注ぎ込んだのかは分かりませんが、もう少し広く浅くすべての業界を支援するような方法はなかったのでしょうか?

ま、どちらにしても、あたしのブライダル業界や日本の伝統芸能の優先順位は極めて低そうなので、何らかの支援が受けられたとしても雀の涙でしょう。安倍晋三のお友だち企業の「電通」や「パソナ」に中抜きされたら、現場にはほとんど届かないと思います。それに「自粛」と「Go To トラベル」を同時進行することを「何ら矛盾はない」と言い張るような相手と議論をしても、結局は「水掛け論」で終わってしまいます。

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