安倍政権の7年8ヶ月から「ウソ、詭弁、隠蔽、改竄」を引くと何が残るか?

 

ポスト安倍政権に降りかかる難題の数々

次が誰になるにせよ、どん底状態の日本を押し付けられて苦難のスタートとなる。何よりもまず、コロナ対策の立て直しだろう。安倍首相は「政権投げ出し」批判を避けるために、28日までに新たな対策方針を決定したと胸を張って見せたが、その中身は、「感染拡大防止と社会経済活動の両立」「1日平均20万件の検査能力を確保」「各都道府県で病床や宿泊療養施設を整備」「ワクチンは来年前半までに全国民に提供できる数量を確保」「雇用調整助成金の給付上限1万5,000円への引上げを12月末まで延長」(官邸HPより)など、変わり映えしない。PCR検査については、安倍首相も繰り返し「増やす」と約束しながらなかなか増えず、そこには「感染症法に基づく行政検査」という法的な縛りがあるので国立感染症研究所から保健所に至るピラミッド型体制の中でしか行えないという仕組みの問題があるとされてきた。それをどうするかの検討もなしにただ数字だけ挙げても、また「やってる感」になってしまう。

それ以前に、我々は毎日発表される地元や全国の感染者数の増減を息を詰めてチェックしているが、実は全国20政令都市と東京23区の計43の自治体のうち、陽性率を発表しているのは約半分の22で、他の21は非公表だと言う(8月28日付読売)。非公表には仙台、京都、福岡など8政令都市と東京の13区が含まれる。理由は、「医療機関から検査数が報告されない自治体もあり、全検査数が把握できず、正確な陽性率が計算できない」だと。何ですかね、この発展途上国丸出し状態は。これでは一体何を根拠に、政府も自治体も専門家も「検査を増やせ」とか「いや、そんなに増やさなくても大丈夫」とか議論しているのか。

このことを筆頭に、経済も社会保障も、外交も安保も、福島原発の汚染水も辺野古基地建設の軟弱地盤も、五輪開催も、スキャンダルの解明も、何もかもが安倍政治の“呪い”から解放されなければならない。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年8月31日号より一部抜粋)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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