フルボッコの菅総理が復活するためのカギは「スピーチ」の改善にある

20201217kaigi01
 

ネット動画での「ガースー発言」や「8人ステーキ忘年会」、さらにGo Toキャンペーンの失敗など、連日のように批判の槍玉にあげられている菅総理。支持率も低下の一途をたどっていますが、東京五輪が翌年に控える今このピンチを切り抜けることはできるのでしょうか? 経営者やトップアスリートにスピーチトレーニングをおこなっている「スピーチのプロ」森裕喜子さんは、自身のメルマガ『スピーチコーチ・森裕喜子の「リーダーシップを磨く言葉の教室」』の中で、菅総理のスピーチを改善することでピンチをチャンスに変える可能性があると指摘。菅総理が支持率を上げてリーダーシップを発揮するために必要なスピーチ改善点とは?

菅総理の発信力復活シナリオとは? ピンチをチャンスに変えるストーリー

菅総理の発信力低下がメディアで取り沙汰されています。メディアは情報を編集して届けますから、実際のところどうなのか?

我々国民は本当のところ、身近で見聞きしたらどうなのか、という実態は知ることができません。

国のトップと国民の間に、伝わらない壁があるように感じます。

聞くところによると、菅総理はとてもせっかちな性格でいらっしゃるのだそうです。

朝、総理と顔を合わせると「あの件はどうなってる?」と聞かれ、夕方にもまた顔を合わせてしまうと必ず「どうなった?」と問われる。

様々な課題に対して対策を打とうとし、それぞれの役割に任せて国を運営していく。

これは会社経営と違わないと思います。

ご自身の会社の社長がどういう風に普段行動し、何を考えているか、というのは、社員はなかなかわからないですよね。

私も会社員のとき、そう感じていました。だからこそ「社長、何を考えてるのかな」知りたいと思っていました。

会社ひとつとってもこうなのです。国という大きな組織を率いていき、その言動をきっちりと一人一人に伝えていくことがどれほどのことか。

ましてや今は危機下です。なおさらトップの発信力が求められる。

メディアは当然編集をして情報を届けるのですが、菅総理の「伝え方」は、メディアを通すとより一層伝わりにくい性質があるようです。

目線も落ちてしまいがちで、言葉もはっきりくっきり出さない。

スピーチのデリバリー(伝え方)としては、残念ながら良い例とは言えません。

でも、それを個性とするならばそれなりの対策を打ち、個性を活かすことができるはずです。ニコニコ動画で「ガースーです」などとおっしゃらなくともいい方法が。

例えば、落ちてしまいがちな目線。これは「いつどこを見るべきか」目線とタイミングを決めておけば解決です。

  1. 原稿を確認しながら話すなら、まず、口をよく動かすようにする。
  2. 一文を言い終わったら、文末で一旦目線を上げて聞き手(カメラ)を見る。
  3. 目線を上げたら、ほんのしばし黙り、目線を聞き手(カメラ)に送り続ける。
  4. そののち、原稿に再び戻り、次の内容を話す。

これは、皇室の方がよくやっていらっしゃいますね。言葉を間違えることなく、けれども、原稿丸読みにならない方法です。

上記を行う際、声は大きめに出すことが必要です。

原稿に向かって声を出そうとすると、声は原稿に向けて発していることになります。声は下に落ちる。すると、一層声量は小さくなってしまう。

ですから、原稿を見て話す際は、原稿の向こう側に届ける声を出す。また、口の動きで言葉を見せるのだ、と意識するのも、はっきりした言葉を出すためには有効です。

口を動かすようにすると、自ずと頬の筋肉を動かすようになります。すると、笑顔にもなりやすくなりますね。こうなれば一石二鳥。

慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、本番が多い総理ですから、一旦慣れればすぐに自分のものにできるでしょう。

菅総理、これからどんなふうに発信をしていかれるのか?ぜひ、国民に直接メッセージをお出しいただきたいと思います。

カメラ目線で、直接国民に語りかけてください。プロンプターがお好きでないなら、原稿ありでも良いのです。

危機下でのリーダーシップに期待しない国民はいないはずです。

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清泉女子大学英文学科卒後、大手印刷関連会社で勤務。その後、ジャズボーカリストの夢を叶えるが、挫折。外資製薬会社に転職しマーケティング部でハードな業務に取り組む中、外国人のスピーチやプレゼンに多く触れ、日本人リーダーの発信力向上の必要性を痛感。30年以上に渡る声の経験にマーケティング、イメージコンサルティング、コーチング、リーダーシップ各論を掛け合わせ、2011年「ボイスイメージ®コンサルティング(VIC)」メソッドを開発して独立。業務で聞いたクライアントのスピーチプレゼンの数は1万回以上(延べ数)。顧客の可能性を引き出すスパルタトレーニング、わかりやすい理論と分析、柔軟に対応できるコンサルティングを得意とする。

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