脆弱すぎた日本の医療体制。なぜ「救急搬送困難事案」は激増したのか

 

【サーチ&リサーチ】

5件の記事で最も早いのは2020年5月のもの。

2020年5月1日付
「4月下旬の1週間に、急病人らの搬送先がすぐに決まらない「たらい回し」の事案が1656件あった」という記事。

*8カ月前の段階では1656件として、前年同期の2倍に上っているとして記事になっている。今はさらに増えて2700件以上。

*因みに「たらい回し」という言葉が使われているが、この言葉に反発する病院関係者は多い。「たらい回し」という表現には、受け入れられるのに勝手に拒否しているというニュアンスがあり、病院関係者には「病院を責めるのはお門違いだ」という思いがある。このときの記事にはまだ「たらい回し」が使われているが、今日の記事には使われていないことに注意。

2021年1月13日付
「東京都は13日、新型コロナウイルスに感染し、入院先の調整が付かずに自宅療養中だった都内の80代男性が死亡したと発表」した。昨日の記事。医療崩壊で死なずに済んだはずの人が亡くなってしまったケース。

2021年1月14日付
埼玉県の状況についての記事。「大野元裕知事は13日の定例会見で、新型コロナウイルスの重症者用病床の確保が計画よりも遅れていることを明らかにした。患者の急増を受けて11日までに131床を準備するとしていたが、すぐ使えるのは112床にとどまった。その後に微増し、14日には124床になるとしているが、目標に届いていない状態となっている」という。

*上記はきょう付けの記事。紙面ではなくサイト内で公開されている。

●uttiiの眼

「病床占有率」の多寡で見ていた「医療崩壊」の状況をより具体的に見せてくれるのが「救急搬送困難事案」の数や増加率。感染がさらに急拡大するようなことになれば何が起こるか、具体的にイメージすることができる。新たな感染者を1人でも少なくすること、そのために、まずは自分とその周囲の人々の感染リスクを減らすこと、感染の機会を摘み取っていくことが必要であるのは言うまでもない。

【あとがき】
以上、いかがでしたでしょうか。救急車に乗ったことがあります。脳梗塞で倒れた父に付き添ったのですが、隊員の方は何カ所も断られながら、一生懸命に病院を探してくださったことを覚えています。

image by: Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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