足利の山火事で蘇る阪神淡路大震災の記憶。「残り火」探知の方法は?

 

そこで、大阪府八尾市に駐屯する陸上自衛隊中部方面航空隊では夜中に第5対戦車ヘリコプター飛行隊のAH1コブラを飛行させ、搭載している赤外線暗視装置で残り火や新たな出火に目を光らせたのです。肉眼では近くに行かなければわからない残り火でも、対戦車ヘリの赤外線暗視装置は反応します。

それを教訓にするのです。上空から山火事の残り火を発見し、火のあるところにだけ消防隊員を誘導するようにすれば、効率は上がりますし、現場の負担は軽減されると思います。

阪神・淡路大震災から26年が経ち、暗視装置の性能も飛躍的に上がっています。こちらから赤外線を出さないパッシブタイプが主流になりつつありますが、昼間や悪天候の中でも数キロ離れた人間の体温を感知するほどです。このサーマルイメージャーは、携帯型や車両搭載型もあり、色々な使い方が可能な装備品です。消防と自衛隊が一緒に創意工夫すれば、空中消火での協力の前例が示すように、山火事の制圧能力が高まるでしょう。(小川和久)

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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