編集後記「締めの都々逸」
「見栄えばかりを 競ってみても 中身がなければ 捨てるだけ」
いかに安く大量に。この考え方を追求しても幸せにはなりません。
むしろ、いかに高く売れるものを工夫するのか。生産は少ない方が付加価値が高まるし、市場が飽和することもないので、サスティナブルです。
産業革命は、最初から欠陥がありました。供給ばかりを考え、重要を考えなかったし、度を越した大量生産の弊害も考えなかった。
どうも、西欧人は「身の丈にあった」という概念がないようです。そして自然を単なる資源だと思っている。とことん自分の利益を追求し、とことん自然を開発し尽くす。
日本人は、狭い国土で多くの人が生きていくための現状維持の再生産を常に考えてきたように思います。
江戸時代で人口が増えたのは、新田開発により食料生産が増えたためで、それ以前は人口も横ばいでした。
畑を耕し、そこで育てた野菜を食べる。その場合も、常に土を肥やすことを考える。だから、持続可能なんですね。極端に言えば、物理的な成長を目指してはいけない。目指すべきは文化の成長、技術の成長、精神の成長です。我々は自然の中で生きているんですから。(坂口昌章)
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image by: Matt Yamaguchi / Shutterstock.com