大原則2 本命の結論に絞り、代案で保険をかけない。ただし選択させる戦術はある
学生の発言やレポートを見ると、 1つの結論に絞れない人が多い ことに気づきます。おそらくそれは、 自信の無さのあらわれか 、あるいは 「数打ちゃ当たる」と真剣に考えていないか のどちらかでしょう。
もちろん、 考えを深めるために、3つぐらいのプランを検討する ことは大切です。しかし、 最後は必ず1つの案に絞るべき です。 結論を1つにしぼるため には、列挙した 各プランを、コスト、実現性、納期、競合など、重視すべき項目で比較する検討表 を作れば良いでしょう。
そこで吟味して出した 最終的な結論 を、上記の 1結論→2理由→3データという鉄板フロー に合わせて、 レポートや発言メモを作ります。
もしも、相手が、 代案について質問したいタイプ 、あるいは 自分で選択したいタイプ であれば、 最後の最後に、比較検討表を付記して見せれば良い でしょう。
「最後に、この結論に至るまでに検討した3つの案のメリット・デメリットを比較検討した表をお見せします」
ここまでやれば、 もっと頭がよく見える? でしょう???
大原則3 データや事例で水増ししない。贅肉を落とした骨子だけで、あとは引用リンク。
学生たちには、 最終レポートは〇〇〇文字以上で書くように制限 を設けました。 数行だけで済ませるような、横着者 が出てくるのではないかと 危惧 したからです。すると、今度は予想通り、 得意のコピペを駆使して、結論とは直接関係の無い、ケースの事例やデータで水増し する学生が増えました。
実は、 コンサルタントやシンクタンクのレポートにもこうした傾向 が見られます。もちろん、コロナ禍で知られるようになった 「エビデンス(証拠や科学的根拠)」 が重要であることは間違いありません。しかし、ビジネスの世界では、 エビデンスの詳細を知るよりも、その結果、何をすべきかの方が大切 です。
ですから、この結論に至る 根拠となるデータや文献は、エッセンスだけ引用 し、 詳細はリンクを紹介するだけでも良い のです(その資料をしっかり読んだというアリバイ?にもなります)。
即ち、 こんなにたくさん調べたんだぞ自慢=実はコピペ は、学生のレポートや卒論ならともかく、 ビジネスの実戦では不要 なのです。むしろ、 経営者やリーダーには、要点だけを短く伝える方が喜ばれる のです。
「今回の結論に至った最たる理由は〇〇ですが、根拠となるデータは、私たちの業界で信頼されている〇〇学会●●先生の最新論文から引用しました。」
「それ以外にも、異業種での取り組みですが、□□研究所が紹介する△△社の事例が参考になると考え、要約を添えました。詳しくはリンクを張りましたので後ほどご高覧ください。」
こうして、 簡潔明瞭なレポートに、異業種の要約や資料リンクまでさりげなく張られていたら 、大量のデータを見せられて長い説明を受けるより、 上司も喜ぶ はずです。
いかに要約しリンクするかで、 さらに頭がよく見える でしょう???
最後に応用技を3つ……(この続きはご登録の上お楽しみください。メルマガ『久米信行ゼミ「オトナのための学び道楽」』は初月無料です)
image by: Shutterstock.com