保守王国・静岡で「自民敗北」の衝撃。国民の声を無視し続けた与党に下る“審判”

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先日掲載の「自民党員からも疑問の声。選挙期間中に議員秘書から連絡もない与党に見えた敗戦」等の記事でもお伝えしているとおり、自民の苦戦も囁かれている衆院総選挙。事実、その前哨戦と位置づけられていた24日投開票の2つの参院補選では静岡選挙区で議席を失うなど、岸田政権に早くも暗雲が立ち込めていますが、31日、有権者はどのような審判を下すのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、菅政権下の4月末に行われ敗北を喫した広島の参院再選や上記静岡補選の結果を詳細に分析。その上で、日本の将来を自民党に白紙委任することの是非を問うています。

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Get Up, Stand Up。静岡・参院補選の「野党勝利」で浮き彫りになった現政権への不満爆発

いよいよ衆議院議員選挙の投開票日まで「あと4日」となりましたが、総務省は25日、公示翌日の20日から24日までの5日間の期日前投票が567万519人となり、前回2017年の衆院選と比べて約38%増の約156万人増、期日前投票が導入された2005年以降で最多となったと発表しました。このメルマガを購読してくださっている人の中にも、すでに期日前投票を済ませている人がたくさんいると思います。

国政選挙の投票率は、現行の政権に不満を感じている人が少ないと低くなり、不満を感じている人が多いと高くなります。そして、全体の投票率に連動して、期日前投票の人数も増減します。そんな期日前投票ですが、過去のアンケートで期日前投票をした人の内わけを見ると、意外と無党派層が多いのです。

毎回必ず投票へ行き、投票先は最初から「自民党」と決めている自民党のスポンサー企業の皆さんや「公明党」と決めている創価学会の皆さんは、投開票日の当日に家族を引き連れて投票所へ行くパターンが多いようです。一方、特に現行の政権に不満を感じていない時には投票へ行かず、現行の政権に大きな不満を感じた時だけ野党へ投票しに行くという無党派層は、期日前投票をする割合が高いようです。

つまり、期日前投票の全体数が急増した今回は、現行の政権に不満を感じて野党へ投票する人が増加していると推測できます。そして、もしもそうであれば、最終的な投票率も前回や前々回より増加すると推測できます。自民党や公明党の支持者数はほぼ一定なので、全体の投票率が増加すれば、増加分の大半は野党への投票ということになります。

また、今回の場合は、菅政権下で行なわれた今年4月25日投開票の北海道2区の衆院補選、長野の参院補選、広島の参院再選という3つの国政選挙で、自民党は全敗しています。広島の参院再選の出口調査によると、野党支持者の95~98%が野党推薦の候補に投票している一方で、自民党支持者のうち自民党候補に投票したのは7割ほど、残り3割の自民党支持者は野党推薦の候補に投票したと回答しました。

現在の岸田政権下で行なわれた10月24日投開票の静岡と山口の参院補選でも、自民党は両方とも楽勝ムードでしたが、静岡は立憲民主党と国民民主党が推薦した候補が、自民党公認で公明党推薦の候補を抑えて勝ちました。静岡は広島と同じく保守王国なので、通常であれば黙っていても自民党候補が勝つ地盤です。その上、今回は、衆院選の行方を占う前哨戦として注目されていたため、絶対に負けられない岸田文雄総裁が二度も応援に入りました。逆に立憲民主党は、共産党との選挙協力の調整ができず、共産党が独自候補を立てたため、新人3人の争いとなりました。その結果が、以下です。

当選】山崎真之輔(無所属・新)65万789票
    若林洋平 (自民・新) 60万2,780票
    鈴木千佳 (共産・新) 11万6,554票

与党系候補には自民党支持者と公明党支持者の票が集中し、野党系候補の票は割れてしまったのに、それでも野党系候補が競り勝ったのです。これは、無党派層の多くが野党系候補に投票しただけでなく、自民党支持者の中にも野党系候補に投票した人が何割かいたことを意味します。そして、もしも共産党との選挙協力が調整できていれば、共産党候補への11万6,554票も野党の統一候補に上乗せされていたのです。

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