渋沢栄一が提唱した「合本主義」こそ新しい資本主義が目指す姿。子孫が語る“Made With Japan”という考え方

 

□ ■ 付録:「渋沢栄一の『論語と算盤』を今、考える」■ □

『論語と算盤』経営塾オンライン 

「論語と算盤」真正の利殖法

私が常に希望する所は、
物を進めたい、増したいという慾望というものは、
常に人間の心に持たねばならぬ。
しかしてその慾望は、道理によって活動するようにしたい。
この道理というのは、仁義徳、相並んで行く道理である。

仁義を掲げていた栄一は決して「成長」を否定していたわけではありません。相手を踏み倒しても、搾取しても、自分の利益を増やしたいということは道理ではないということです。構わず増殖する、がん細胞には意識がありません。しかし、人間には良識があります。Takeだけではなく、Giveという良心です。

「論語と算盤」防貧の第一要義

ただし、それも人に徒食悠遊させよというのではない。
なるべく直接保護を避けて、防貧の方法を講じたい。

いわゆる「バラマキ」に栄一は否定的でした。全国民にベーシックインカムを与えることより、一人ひとりが自分の可能性を発揮して自己実現できる社会を築くことが防貧へとつながると栄一が現在に蘇ったら提唱するのではないでしょうか。栄一の時代の資本主義でも、現在の「新しい資本主義」でも、雇用(=賃金)の創造による価値の創造という重要な役割は変わらないでしょう。

謹白

image by: 公益財団法人渋沢栄一記念財団 - Home | Facebook

渋澤 健(しぶさわ・けん)

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