止まらない日本の貧困。迫りくる超円安で3%の賃上げなど不可能な現状

 

日本自立戦略:超円安に備える必要がある

そして、日本の衰退が加速するので、超円安になり、海外産品の価格が上がり、国内産品の価格の方が安くなる。前回も述べたが、その準備を日本はしないといけないことになっている。まだ、日本のリーダーは、新自由主義の次は公益資本主義という過ちを犯して、眼を覚ましていない。

【関連】米国の猿真似が日本を貧困化した。さらなる衰退を防止する手立ては?

このため、日本が貧困化したときの備えをするしかない。その中心で取り組むこととしては、石油と食糧、木材である。一番大きいのは石油であるが、再生可能エネルギーへの転換が必要であり、それだけでは足りないので、トリウム原子力発電も必要と述べた。

今回は食糧であるが、高エネルギーのコメが日本にはある。このコメを品種改良して、多収穫種を作り、それを米粉にして、パンや餅などにして、小麦の輸入を少なくするしかない。ここは大規模農業をして、コメの価格を下げてほしい。

もう1つが、豚や牛の飼料であるが、日本国内の土地で飼料を作る余裕はない。このため、イノシシや鹿、熊などのジビエを積極的に食糧として活用することだ。今後、超円安になると、牛肉も豚肉も高級品化する。

ということで、一般大衆の食べ物としてのジビエであり、1960年代以前に逆戻りになる。そのため、マタギが必要になる。ジビエは飼料がいらないので、安い肉が提供可能である。この流通網整備と処理施設が必要になるが、地域分散になる。その地域で取れたジビエを全国に送るしかない。この整備を今からやることである。ここには、多くの雇用ができる。

そして、マタギの養成学校も必要になる。銃の扱いも必要になり、訓練が必要である。このため、今後一大産業となるはずだ。

もう1つが、温暖化で、日本自体が徐々に亜熱帯化してくるので、バナナやパイナップル、マンゴや亜熱帯の野菜なども日本国内で作れるようになる。温帯の果実や野菜は北海道や東北で作り、関西以南の地域では、亜熱帯系の果実や野菜に作付けを変えていくことである。

そして、一番早く必要になるのが、木材の自給であろう。日本の木材は戦後まもなく植えたので、ちょうど、今が切り時である。円安で海外産の木材は高値になり、国内産木材を使うしかなくなる。その木材を効率的に提供する施設の復活が必要になる。

というように、時代が変わり、人口減少で都会に出ていった働き手をもう一度、地方に呼び戻して、産業整備が必要になっているようだ。都市の飲食業より高給と安定性を出して、都市から地方への逆流を起こす必要になっている。

過疎地域や地方都市は、その準備をしてほしいものである。UターンやIターン、Jターンの時代がすぐそこにある。しかし、その時は、日本が貧困化しているが、それに備えることも必要になっているのだ。

さあ、どうなりますか?

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

津田慶治この著者の記事一覧

国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 国際戦略コラム有料版 』

【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 止まらない日本の貧困。迫りくる超円安で3%の賃上げなど不可能な現状
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け