私は経営改革、意識・行動改革が仕事ですが、その中で多数のパワハラ事例に出会ったことから、5年前からこの問題に取り組み、専門家の意見を聞き、90冊以上の本を読んできました。厳選した18冊を紹介しています。
このうち、まずは『愛着障害』(岡田尊司著)、『「毒親」の正体』(水島広子著)、『もし部下が発達障害だったら』(佐藤恵美著)、『すぐ感情的になる人』(片田珠美著)がお勧めです。
こうやって、愛着障害や発達障害に関する本を何冊か読み、どういう特性でどういう言動になるのかを理解すると楽になります。相手の不愉快な言動が必ずしも悪意からではなく、何らかの背景から来ていることがわかり、一方的な言葉の暴力にならないからです。理解が進めば、感情的になることがかなり減りますし、溜め込むこともだんだん減っていくのではないでしょうか。
また、相手の立場で10~20ページA4メモ書きをします。そうすれば、相手への理解がさらに進みますし、心の乱れが急激になくなっていきます。
- 彼女はどういうとき、一気に感情的になるのか
- 前の病院ではどういうことがあったのか
- 前の病院から異動せざるを得なくなって、彼女はどう傷ついただろうか
- 自分に暴言を吐いたあと、何を感じただろうか
- 誰に対して暴言を吐くのか、誰には吐かないのか
- 暴言を吐いた後、彼女は反省するのだろうか
- 彼女はどういう親に育てられ、こういった感情的な人になったのか
- 彼女は何人きょうだいの何番目か、どういうきょうだい関係だろうか
- 彼女にとって仕事とはどういうものなのだろうか
- 彼女は彼女自身の家族とどう接しているか、あのように感情的なのか
ここまで書くと、かなり彼女の立場で物を考えることができるようになっていきます。
最後に、彼女に対して徹底的にアクティブリスニングしてみてください。アクティブリスニングというのは、何かを言い返そうとか間違いを正そうとかいっさい思わずに、何もかも聞いてあげることです。相手に関心を持ち、真剣に聞きます。茶化すのではなく、また先日の件を根にもつのでもなく、同僚として関心を持ち、話を聞くことに集中します。
こちらが本気であれば、それを嫌われることはありません。どんどん話してくれますので、ひたすら聞きます。1時間だけ、頑張って聞いてみてください。そういうことが数度続くと、彼女との関係は劇的に変わってきます。1時間が無理なら30分時間を決めて数回に分けても大丈夫です。それが終わる頃、彼女への負担感、嫌悪感はかなり減っていることと思います。
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