戦争後の世界はどうなるのか?
戦争は、ロシアが戦略上、世界から孤立しているので負けることになるが、ウクライナ経済も疲弊しているので、世界の関心がなくなると、戦争継続ができなくなる。
ということで、どのように戦争を止めるかであるが、ロシア国内の強硬派が強いと戦争拡大になる。一方、地方議会を中心に反戦機運が高まる。ロシア国内世論の動向が重要なことになっている。
一方、ウクライナ側では、米国の政治情勢が大きく関わることになる。特に共和党トランプ派が力を持つと、米国一国主義で、ウクライナ支援を止める可能性がある。共和党内のペンス氏が率いる主流派とトランプ派の動向が、今後の米国支援がどうなるのか、非常に心配である。
11月に中間選挙が迫り、インフレ放置の民主党が負ける可能性が大である。バイデン大統領支持率は41%と低く、国内分裂状態である。
共和党でも主流派とトランプ派がいて、11月の選挙で、どちらの候補が共和党の候補になるかで、違うことになる。そして、ここで共和党主流派+民主党が議会多数であっても、2024年に大統領選挙がある。
トランプ前大統領が立候補することは、ほぼないが、代理の候補を立てることはありえる。イーロン・マスク氏がツイッターを買収して、言論の自由を保障するというが、これはトランプ氏の復権にも繋がるので、民主党を中心にマスク氏叩きが起こっている。
米国のローカル人とグローバル人の分断は激しくなり、近い将来には世界の指導者ではなくなる可能性がある。この米国分裂の状況で誰が専制国との戦いで、世界を引っ張っていくのか、非常に恐ろしい問題になる。
ロシアをけん制するドイツと英国、中国をけん制する日本と英国と2つの専制国近傍の民主国が頑張るしかないとみる。日本、ドイツと英国の3ケ国である。
このため、ドイツもGDPの2%を防衛費にすると言うし、日本も防衛費を徐々に2%にする。新世界秩序構築は、日独英の3ケ国が中心にするしかない気がする。
もう1つ、この専制国との戦争は、ローカルとグローバルの戦いでもある。米国内もローカルとグローバルの戦いで、トランプ派のローカル勢力が勝つと、グローバル人はローカルな米国からグローバルな別の国に移動することになる。
その移動先として、日本がなれるように、グローバル化するべきなのである。日本がグローバル人を受け入れるなら、ロシアのグローバルな人たちや中国のグローバルな人たちも受け入れて、日本を経済・外交・技術の大国にすることである。
これが完成すると、名実ともに日本はグローバル指導国の1つになれるはずだ。それしか、日本と世界の進む道はない。専制国に勝つ道でもある。
さあ、どうなりますか?
(『国際戦略コラム有料版』2022年6月6日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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