安倍晋三氏を自民の“最高顧問”に。岸田首相が元首相の「呪縛」を解く方法

 

貯蓄から投資へという、もう手垢どころかどんな垢もみなくっついているような古くさい、なんというのか…。こういうのは簡単に言えばインチキと言って良いのだけれど、株価というのは全体としてはうまく支えることが出来る、日銀がカネを放り込み、あるいは年金からカネを放り込めば出来るんですけど、でも、個々の株が必ず上がり続けるとは限らないし、しばしば下落するわけですよね。そういうふうに儲からない、損をする可能性があるものについて国が、個々の家計が得をするということを政策として保証しようということでしょ。インチキじゃないですか。だって、失敗することだってあるんですよ。

日本でも90年くらいでしたか、401Kというアメリカの税法で税優遇を受ける年金類似貯蓄勧奨システムみたいな制度がアメリカにあって、日本にも導入されたのがニーサとかなんとかいうのがそれなんですが。ごく小額の話になっている。アメリカでは儲かるケースもあるのでしょうし、毎日自分の資産がいくらになっているかをチェックしたりして。とても楽しい仕掛けもあったりするのですが(笑)、それでアメリカ人の貯蓄がどうなったか、こうなったという話はトンと聞かないわけですが…。

失敗談などもたくさんあるはずです。そういうものを決め手のようにいうのはおかしな話で、おそらく投資が確実に儲かると言えるためには、投資額が1億円とか3億円とか、でないと相場を操縦するじゃないですが、相場、価格に影響を与えながら行う投資活動などというのは不可能だと思うんですよね。大きくなったらなったで、失敗したときの損害額もすごいことになる。過去、いくらでも失敗例がある話じゃないですか。株式投資なんて。そんなものにカツカツの暮らしをしている多くの国民の家計を委ねるなんて、絶対にやってはならないことだと思います。だから役に立たないだけでなく、有害なことになる可能性があると。それを日銀と年金基金が支えているという、これ以上なくいくらいに危なっかしい構図がいったん崩れたときには、ガラガラと色々なものが崩れ落ちる瞬間ですよね。是非、やめていただきたいと思っているのですが。

昨日の番組をご覧いただいた方には、そういえばそんな話があったなと思い当たるところがあると思うのですが、安倍さんの政治が強く残っていて、ということですよね。「安倍の世」なんて言い方を先ほどはしましたが。で、ちょっと冗談めかして、安倍さんを自民党の最高顧問にすればいいのではないかと言いました。半分冗談ですが、実は最高顧問の制度は80年代までで、その後無くなっているらしいですね。

で、1980年に自民党の総裁、副総裁、衆参両院の議長、こういうものの経験者を有資格者というグループに入れて、その中から自民党総裁が委嘱するかたちで就任した方が大勢いた。岸信介さんとか三木武夫、福田赳夫、二階堂進なども入っているんですね。そういう時代があったのですが、1990年代の中頃に廃止をされたということで、ただ、その最高顧問になるかないか、有資格者なら全員なるわけではない。自民党総裁がお願いしますといってなる形。そうなると「一上がり」感が出てくる。過去の人ですよという。まれにはその後に力を発揮するすごい人もいたわけですが。これ、例えばその制度を復活させて、岸田さんが安倍さんの事務所に行っても良いですし、呼びつけてもいいと思いますか、安倍先生是非最高顧問になってくださいと。最高顧問になっても過去の人にするわけではありませんといいつつ、最高顧問にしておく。

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