なぜ、ピース綾部はアメリカ語学留学で成果を上げられないのか?

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日本人がアメリカに英語を習うために留学をする。よく聞く話ではありますが、実はこれは失敗することが多いようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生がピース綾部祐二の話から、英誌エコノミストの記事を引き、英語教育の流れについて語っています。

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世界が模索する英語教育の流れ

今回は世界の英語教育の流れについて書きましょう。お笑い芸人のピース綾部。2017年に英語を学びにニューヨークに行きました。

ユーチューブ動画で自らの英語留学を失敗として「いきなり米国人に英語を習っても英語は上達しない。まずは英語ができる日本人に英語を習った方がよい」と発言をしています。

わざわざNYに行って日本人に英語を習っているのであれば何のために渡米したのか?と思われるかもしれませんが、まさにこれは正しいと思います。

以前の英誌エコノミストの記事を思い出しました。

アフリカやアジアでも経済成長のおかげで、英語で授業を行う私立学校が増えているそうです。「これからの国際化の時代、英語ぐらいできなくては」と思うのは、どの国の親も一緒なのでしょう。

それについて記した2019年2月23日の記事です。

英語による教育は、もはやエリート層だけのものではない。
パキスタンで露天商を営む女性は3人の子どもを私立学校に通わせている。「英語が話せなければ、学位も仕事も得られません。私はウルドゥー語で教育を受けたことが恥ずかしい」。
インドでは私立学校が急増している。その大きな魅力のひとつは英語を指導言語としていることです。ある学校では教育をヒンディー語から英語に切り替えたところ、入学者数が半年で50%以上増加した。
インドでは、ウッタルプラデシュ州をはじめ、多くの州政府が英語による教育を拡大しつつある。ジャンムー・カシミール州ではすべての小学校が英語教育になり、アンドラ・プラデシュ州でも小学校の英語化を発表した。
パキスタンでは、2009年にパンジャブ州政府が英語教育への移行を発表し、2013年にはカイバル・パフトゥンクワ州が同様の発表を行った。
しかし英語による教育には問題がある。エリート校を除き、ほとんどの「英語教育」の学校では、教師も生徒も英語をあまり話せないため、面接は現地語で通訳を介して行わなければならない。
ラクナウの小学校では、教頭と教師4人のうち2人はそれなりに英語が話せるが、残りの2人はほとんど話せない。しかし生徒の親はほとんど読み書きができないので、そのことを意識することはないだろう。
母国語以外の言語で教育を受けることの効果について、歴史はいくつかの興味深い例を示している。
1955年の南アフリカ共和国の政策変更では子供たちが母語で受ける学校教育の年数を増やした。フランス語や英語で教育を受ける代わりに母語で2年間余分に教育を受けると、識字率と賃金の両方が向上した。
パキスタンのパンジャブ州では前政権の英語授業への移行を撤回した。教育相は「資格を持った教師が足りない」と言う。「農村部の子どもたちは英語では学べない。子供たちは自分が分かる言葉で学ぶ必要がある。」
親は子供が歴史や算数を学ぶことよりも、英語を話せるようになることを重視するかもしれない。よい仕事につくため母国語教育で得られる知識や理解の一部を犠牲にする価値があると考えるかもしれない。
しかし、そのようなトレードオフの関係はないように思われる。
カメルーンにある12校の学校の調査によると、入学3年間後のテストで、現地語で授業を受けている子供の成績は、すべての科目を英語で授業を受けている子供よりも高かった。そして 5年目語のテストでは、英語においても英語で授業を受けている子どもたちの成績を上回った 。
パキスタンで1,500の学校を運営し子どもたちをウルドゥー語で教えている慈善団体のジア・アバス氏は言う。 「親は教科としての英語と指導言語としての英語の違いを理解していません。子どもたちは結局、英語を学べず、何も学べないのです」 。

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