下村博文氏「激怒」の何サマ。統一教会からの陳情を認めない元文科相の厚顔無恥

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週刊誌編集部やフリージャーナリスト各氏の取材力により、続々と「発掘」される自民党所属議員と旧統一教会との関係を示す教団の内部文書。それでも頑なに彼らからの陳情や働きかけを認めない議員たちに国民から向けられる目は、日に日に厳しいものになりつつあります。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、「家庭教育支援法案」の法制化に向けた動きの中で明らかになった、旧統一教会と下村博文、山谷えり子両議員の「不自然なまでに揃った足並み」を紹介。さらにあくまで白を切り通す彼らに対する苦言を記しています。

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家庭教育支援法案にみる統一教会と自民党安倍派の共闘

週刊文春がこのほど入手し公開した動画と記事に、下村博文元政調会長が怒っている。

動画の舞台は、昨年10月9日、東京・板橋区の区立グリーンホール。下村氏が国政報告をした後、国際勝共連合幹部・青津和代氏が「家庭教育支援法制実現を」というテーマで講演したうちの一コマだ。

青津氏 「ただいま、下村博文先生が熱気あふれるコメントをしていただいて、私も十数年前から先生とご縁を持たせていただき選挙のたびにマニフェストにのせていただくように青少年健全育成法と家庭教育支援法はなんとしても自民党が達成していただきたいということで、政調会長室に今回も伺いましたし議員会館のほうにも伺いました。総裁選も期待したところなんですけれども、総裁選の先生が発表される前々日くらいに政調会長室にお伺いしたときに秘書を呼びつけて家庭教育支援法、青少年健全育成基本法を必ず入れるようにということでですね、文面もちゃんとお渡しすることができまして…」

滑らかに弁舌をふるう青津氏。統一教会の“政界工作担当”と言われる人物だ。先に国政報告を終えた下村氏が見守るなか、蜜月関係を強調してみせたわけだが、話の中身はごくシンプルなものだった。

下村氏が党総裁選への出馬断念を表明した昨年9月9日の「前々日くらい」に青津氏は党本部を訪れ、政調会長だった下村氏に対し、家庭教育支援法、青少年健全育成基本法をマニフェストにのせてほしいと要請、下村氏は秘書にそうするよう指示したと受け取れる。

2021年衆院選を控え、党の政策をまとめていた最中のことで、その後、実際に公約に盛り込まれたこともあり、統一教会の望む政策が自民党の公約にダイレクトに反映した顕著な実例のように思える。週刊文春もそのような趣旨の記事を載せた。

しかし、下村氏は「陳情を受けた事実はなく、公約に入れろと指示もしていない」「2017年の公約で既に明記されていた」「(記事を)即刻撤回するよう抗議する」と強気なのだ。

たしかに、下村氏の言い分には一理ある。2017年衆院選、2019年参院選ともに、公約には家庭教育支援法がすでに明記されていたからだ。だが、青津氏は選挙のたびに陳情を続けてきたと言っている。もちろん17年も19年もだ。昨年も念押しに来たに違いない。これについて下村氏は反論できるのだろうか。

下村氏が文科大臣だった2015年、それまでの方針を転換して統一教会の名称変更を認証したことについて、下村氏は関与を否定しているが、青津氏が言うように、統一教会と十数年来の付き合いであるとするなら、所管大臣として何ら口を出さなかったというほうが不自然だ。

下村氏が統一教会から政策面での影響を全く受けていないはずはなく、家庭教育支援法と、それとセットの青少年健全育成基本法が統一教会の推進したい最重要政策であることは、十分すぎるほど承知していたはずである。

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