下村博文氏「激怒」の何サマ。統一教会からの陳情を認めない元文科相の厚顔無恥

 

本来なら、日本は戦前の侵略の罪を清算すべきだと言う韓国発祥の統一教会と、日本会議は根本から相容れないはずである。しかし、そこはあえて無視し、反共産主義という一致点だけで協調してきた感がある。学園闘争が盛んだった時代、のちに日本会議につながる「生長の家学生会」と統一教会の学生(原理研)らは全共闘系の学生らと闘い、長崎大学キャンパスなどの解放に成功した。その当時からの“戦友意識”を指摘する声もある。

いずれにせよ、日本会議、統一教会ともに自民党安倍派(清和会)を主要なパイプとして政治に関わってきたことは間違いない。

ジャーナリストの鈴木エイト氏が入手した統一教会の「指導者セミナー」(2005年作成)という冊子には、次のように書かれた箇所がある。

第二次5カ年計画(基本計画)においてジェンダーという文言を使用させない。安倍晋三官房長官と山谷えり子内閣府政務官でチェックできるように関係省庁、議員に積極的に働きかける

2005年12月に決定した「第二次男女共同参画基本計画」についての資料のようだ。実際にその年、山谷氏は再三にわたり、ジェンダーフリーという言葉にこだわった国会質疑を繰り広げている。2005年3月4日の参院予算委員会で細田博之・男女共同参画担当大臣に投げかけた質問。

「ジェンダーフリーというどこの言葉でもない、英語のようですが全然英語ではない、勝手に日本がつくった、勝手な、定義も分からない言葉を使って独り歩きさせたり、混乱が起きているわけです。…ジェンダーフリーという定義はどういうふうに考えておられますか」

これにより、細田大臣の「できるだけジェンダーフリーというような言葉については使わないことがやはり望ましいと考えております」という答弁を引き出した。

山谷氏の国会質問の翌月、自民党は「過激な性教育・ジェンダーフリー教育・実態調査プロジェクトチーム」を立ち上げた。座長は安倍晋三氏だ。安倍氏はメンバーの山谷えり子氏、下村博文氏、萩生田光一氏らを前にこう語っていたという。「いわゆる行き過ぎたジェンダーフリーの人たちがやっていること、性差そのものをなくしていく。これは明らかに間違いだ」

まさに、統一教会の要望に沿う動きである。「家庭教育支援法案」の法制化という切り口で見るだけでも、自民党は安倍派を中心に、かくも密接に統一教会と“共闘”してきたのだ。

国際勝共連合幹部・青津和代氏からの陳情を「受けた事実はない」とうそぶく下村氏の態度に白々しさを感じるのは筆者だけではあるまい。山谷氏もそうだ。もういい加減に、統一教会と無関係を装うのをやめたらどうか。いつまでも有権者に不信感が残れば、政治家としての致命傷となる。

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