キーエンスの「仕組み」を可視化。平均年収2200万円&超高収益率の源泉とは

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さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

これはキーエンスの文化なのだ。目的をはっきりさせる。相手のロジ(兵站)を把握する。目的に向かって最善を尽くす……。

他にない機能を持つ商品が高く売れるのは当然だ

兵庫県宝塚市で電子機器を生産するニッシンの役員は「ウェブサイトから商品カタログをダウンロードした1時間後に、突然電話がかかってきた」と打ち明ける

キーパーソンの異動先の地域を担当するキーエンス社員とその情報を共有すれば、次の商品の売り込みが容易になる。その異動先が海外だとしても一緒だ

「調整が難しい機械は、次第に敬遠されるようになる」

先回りして本質を探り当てて解決すれば、大きな価値を提供できる。顧客も気づかない潜在需要こそ、キーエンスにとっては宝の山なのだ

あるキーエンスOBは「外報の記入には暗黙のルールがあった」と話す。そのルールとは「商談から5分以内に書く」だ

SFAでミツトヨという社名と同社の1世代前の商品名をキーにして検索すると、その商品を所有している会社名がずらりと表示される

営業担当者は、外回りの日は1日に10件ものアポを詰め込むことができる。そのすべてで完璧に振る舞えるとは限らない。上司はそれをハッピーコールでフォローし、足りない点があれば次回の商談に向けて営業担当者と調整していく

「裏にあるニーズが何か、しっかり確認してきてください」

“ニーズの裏のニーズ”を探るコツとしてキーエンスOBなどから聞こえてきたのは、「業界全体や、顧客が取り組もうとしている工程全体を見渡して説明すること」だ

キーエンスは、なぜ在庫を積むのか。それは「直近の利益よりも当日出荷が重要だという絶対的な優先順位があるからだ」とキーエンス社員は解説する

「高収益」と聞くと、人はいろいろ勘ぐるものですが、本書を読むことで、同社がビジネスの王道を貫き、仕組みで高収益を維持していることがよくわかります。

営業の仕組み以外にも、同社が全社一丸となれるインセンティブの仕組み、情報共有の仕組み、商品開発の仕組みなどが明かされており、じつに読み応えのある内容です。

『キーエンス解剖』のタイトルに恥じない、精力的な取材と分析が光る一冊でした。

ぜひ読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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