長々とした昔話に付き合せてしまい、申し訳ありません。ただ、地震大国の日本に暮らす以上、ある種の「覚悟?!」は誰にとっても必要なものなのかもしれません。
東日本大震災では、東北地方を中心とする地震や津波の被害、そして、その後の原発事故の被害があまりにも大きく、尊い人命もたくさん失われました。その衝撃があまりにも大きかったため、東京をはじめとする全国のビルで発生した「長周期地震動」の被害については印象が薄く、今や忘れ去られた感があります。それは自然なことなのかもしれません。しかし、こうした記憶にも大切な教訓が含まれています。
なぜなら、「長周期地震動」は極めて今日的な問題でもあるからです。この12年の間に、高層ビルの数は、恐ろしい勢いで増え続けました。貴方のお知り合いでも、タワーマンションにお住いの方がいらっしゃるのではないですか?高層ビルで働いている人の数は、さらに多いかもしれません。
気象庁が今、「長周期地震動」に関する「階級」を整理して発表した背景には、それなりの危機意識が存在するからに違いないのです。その被害の特徴は、震源域から遠く離れていても起こるということ、したがって、被害の発生する地域が広範囲に拡がるということです。東日本大震災の時には、遠く離れた大阪でも高層ビルで被害が起きました。
そして、南海トラフ巨大地震か、はたまた首都直下型地震か、いずれにせよ、何らかの危機が近づきつつあるということは、残念ながら間違いありません。トルコ、シリアの震災は他人事ではないのです。今の内に、可能な「備え」をしておきましょう。
(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』より一部抜粋)
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