AIには真似できない、日本人が今こそ身につけるべき立ち振るまい

Asian family are going out of the house , Parents and children were walking hand in hand together a happy in garden.
 

3.立って座って礼をする

WBCでは、日本人選手が整列してお辞儀をする姿が礼儀正しいと報道されていました。しかし、私たちはお辞儀をすることは教えられましたが、どんな姿勢が正しいのかまでは教わっていません。一口に「お辞儀」といっても首を曲げるだけの人もいれば、背中を丸める人もいます。上半身は曲げずに、腰を使って美しいお辞儀をする人は滅多に見ることはありません。

歩き方にも洋式と和式があるという話をしましたが、実は立ち方にも洋式と和式があります。

洋式の起立は、軍隊のような「気をつけ」の姿勢です。踵を付け、脚を伸ばし、お尻を引き締め、腰を前に出し、胸を張り、顎を引き、身体全体に力を入れて棒のように真っ直ぐに立ちます。両手は体側につけ伸ばし、指も真っ直ぐに揃えます。

和式の立ち方は、意識的に身体を伸ばそうとせず、股関節と膝を軽く曲げ、やや腰を落とした姿勢です。日本人にとっては、これが自然で楽な姿勢です。力を入れずに上半身は真っ直ぐに伸びます。腰の緊張を解き、腰に負担の掛からない姿勢となります。

次に座り方と立ち方について説明します。立った姿勢からする場合、あるいは、座った姿勢から立つ場合、どちらも途中に「跪座(きざ)」という姿勢が入ります。

跪座は、両膝をつき、足を爪先立てて、腰をおろした姿勢です。正座から立ち上がる時には、右足から立ち上がります。これは武士が刀を抜く時の動作が基本になっており、男性の基本動作です。

腰を浮かせて、右足の爪先を立て、次に左足の爪先を立てて、跪座の姿勢を作り、右足を踏み出し、左膝だけが下につく片膝の姿勢となり、そのまま腰を浮かせ、左足を引き寄せながら立ち上がります。その間、手は腿の上に置かれたままで、上半身は真っ直ぐ姿勢を保ちます。

「よっこいしょ」と勢いを付けて立ち上がるのではなく、前後左右に身体を揺らすこともなく、静かにすっと立ち上がるのが理想です。

立った姿勢から座る時には、左足から座ります。男性は左足を半歩引き(女性は足を半歩出し)、静かに上体を沈め、左膝が下についたら、その膝を前に進めながら、右膝を下に付け、跪座の姿勢になります。(この間、爪先は常に立っています)そして、片足ずつ寝かせて正座になります。

立つ動作、座る動作は股関節、膝、足首、中足の関節だけを使い、腰は使いません。

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