編集後記「締めの都々逸」
「常に備えて 稽古を積んで それても刀は抜きません」
昔の侍は、常に敵の攻撃に備えていました。道を歩く時も、周囲に目を配り、攻撃されたらすぐに対応できるように備えています。そして、相手を倒す技を身につけようと、稽古に励んでいました。
しかし、平和な江戸時代では、刀を抜いただけで大きな罪となりました。ですから、往来で刀を抜くことはありません。剣術の稽古も、木刀や竹刀を使います。実際に刀を抜くのは稽古のためであり、他人に迷惑をかけない場所を選びました。
人殺しの技を身につけ、本当に人を殺すのはテロリストです。武士は人殺しの技を身につけていても、人を殺さない。日本は江戸時代から専守防衛なのです。
個人の一人一人がいつでも相手を倒せるように稽古を積み、日常生活の中でも隙のない行動をしていれば、事件に巻き込まれることもないでしょう。国際時代だからこそ、再び武士の所作や礼儀、武道について学ぶのも良いと思います。
これはAIに代わることもないはずです。(坂口昌章)
この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com