GPT3.5からGPT4へ。進化したChatGPTは今までと何が違うのか?

ChatGPT Chat with AI or Artificial Intelligence. woman chatting with a smart AI or artificial intelligence using an artificial intelligence chatbot developed by OpenAI.
 

アル開発室からヒントを得た、GPT-4の使い方

みなさんはChatGPTに対して、「自分が知っているけどよくわかっていないこと」を聞くことが多いと思います。それって、「GPTがどのくらい賢いんだろう?」というチェックにはおもしろいのですが、日々それを使うかというと、それほど使いません。

あくまでも正解を知りたいだけだったら、ウイキペディアを見に行ったほうが正確性が高いし、まとまっているわけですよね。

だとしたら、GPTはどういう使い方をすればいいのか?けんすうさんの使い方にすごいヒントがあります。昨日のアル開発室を見て、「これはいいな」と思ったので、尾原なりの解釈を説明していきたいと思います。

今けんすうさんは、「sloth」という新しいNFTを提案しています。これはすごく本質的で、なかなかとっつきにくいNFTの裾野を広げるすばらしいアプローチだなと思います。

彼のそういう本質思考がどこから生まれるかというと、NFTを考える時に、「そもそもNFTというデジタル記号をなぜ人が所有したくなるんだろう?」「なぜ買いたくなるんだろう?」ということで、買いたい理由を考えてみよう、深掘ってみようとするわけですね。

けんすうさんは、「過去に深掘った哲学者、社会学者って誰がいるだろう?」ということで、ルネ・ジラールという、ピーター・ティールが学んだ先生を見つけて、ルネ・ジラールが考えていることは何かを調べて、そこからNFTとの関係性を連想していくわけですよ。やっぱりすごくクリエイティブですよね。

最初から全部のステップをするのは大変ですが、GPTだとけっこうできてしまうんです。

例えば、自分が新しいことを考えているとします。この場合だと、「NFTの可能性」です。「NFTの可能性は、ルネ・ジラールという社会学者の思考から考えると広がりそうだな」と思ったら、そのままChatGPTに「ルネ・ジラールの論点からNFTの可能性を引き出すにはどうすればいいか、論点を箇条書きにしてください」と入力する。

そうするとGPTが、ルネ・ジラールがどういうことを言ったのかを分解して、NFTとなぜ相性がいいのか答えてくれるわけですよ。

つまりGPTは、今わかっている正解を質問するというより、突拍子もない遠くにあるものをつなげてみた時に、どんな回答があり得るかを聞いてみると、クリエイティブなことができるんですね。

なので、「なるほど、けんすうがルネ・ジラールに関して聞いたんだったら、似たようなかたちで『構造主義』って相性がいいよね」と。

どう相性がいいかはわかっていないんですけど、「ポスト構造主義のジル・ドゥルーズあたりとNFTを組み合わせたら、何かおもしろいかもしれない」と思って、「ジル・ドゥルーズの論点からNFTの可能性を引き出す」というふうに、「哲学者の名前×NFT」を試してみました。

するといろいろ答えてくれるわけですが、ぜんぜんわからなくて、「なんだこの、ディファランスとレビティシオンって?」となります。

でも、「どうも、現代社会における差異や反復の重要性というところで言っているんだ」とわかって、次の質問として「ディファランスとレビティシオンに関して、もう少し詳しく教えてください」と聞けば、「こういう論拠でChatGPTはジル・ドゥルーズとNFTの掛け算を考えたんだな」とわかるわけですよ。

こういうふうに、「思想的に近そうなんだけど、掛け算で語られたことのない組み合わせ」「新しいトレンドの話と、古いけどものすごくいいことを言った人との掛け算」でどんどん入れていくと、新しいものが生まれるということなんですよね。

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