年金のプロが解説。老齢年金と遺族年金を重複受給してしまった時はどうなるのか?

Pension book, (Future pensions after retirement)
 

A子さんの夫の平均標準報酬額は平成15年度前はとりあえず30万円の100ヶ月とし、平成15年4月から平成23年2月までの95ヶ月間は45万円とします。子はいないものとし、A子さんは夫死亡推定時45歳とします。

〇死亡日平成23年3月11日推定。

3ヶ月間生死がわからない、もしくは遺体が見つかってもいつ死亡したかわからない場合は事故日に死亡したものと推定します。

・平成23年4月分からの遺族厚生年金→(30万円×7.125÷1,000×100ヶ月+45万円×5.481÷1,000×95ヶ月)÷195ヶ月×300ヶ月÷4×3=(213,750円+234,313円)÷195ヶ月×300ヶ月÷4×3=516,995円

・夫死亡時の中高齢寡婦加算(妻は夫死亡時に40歳以上の場合)→596,300円(令和5年度価額)

よって、遺族年金総額は516,995円+中高齢寡婦加算596,300円=1,113,295円(月額92,774円)

事故日の3月11日から3ヶ月のgに請求可能になるので、その請求により遡って事故日の翌月分からの支払いになります。

※ 参考

死亡を推定している(恐らく死亡したと考えられる…)だけなので、もし生存が確認された場合はそれまで受給してきた遺族年金は返済する必要があります。ただし、年金の時効が5年なので最大でも5年分の年金を返済する事になります。

10年間貰ってきて、その時に夫の生存が確認されたら死亡の推定を取り消して、時効の5年分約500万円ほどを返済。

あと、中高齢寡婦加算額は老齢基礎年金満額795,000円の4分の3の額596,250円を100円未満四捨五入した額―― (メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2023年5月10日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
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