なぜ「高学歴の社員」ばかり集めても企業は成功しないのか?

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企業(組織)は、一人では行えないことを実現させる機関だと定義されます。マネジメントは、その企業(組織)に成果をもたらすための唯一の機関です。ところで、トヨタのマネジメントは「トヨタ生産方式」をつくり、突出した成果をあげる企業へと上昇しました。

「トヨタ生産方式」は、創始者の豊田喜一郎さんの“ジャストインタイム”「必要なものを、必要な時に、必要な量を生産する」というアイディアを、大野耐一さんが具体的な方式として、現場に定着させたものでした。

現場の人に、継続して常に高い目標を求め、課題を自身で見つけ解決策を探し“カイゼン”を実行させ“自己効力感”ある人材に変身させるのです。大野さんの要諦は、自身の行動を通してリーダーのあるべき範を示したこと。リーダーは、権限や権力を使ってではなく「やってみせ、人を説得し、理解させて行く」というやり方で、それを続けたのです。

トヨタは、松下幸之助さんと同じ考え方「人をつくる」を核にしました。ドラッカーは、組織の目的について「凡人をして非凡をなさしめることにある」と明言しています。

「組織は天才に頼ることはできない。天才は稀である。当てにはできない。凡人から強みを引き出し、それを他の者の助けとすることができるか否かが、組織の良否を決める。同時に、組織の役割は、人の弱みを無意味にすることである。要するに、組織の良否は、そこに“成果中心の精神”があるか否かによって決まる」と言います。

トヨタは、この「人づくり」ができる「トヨタ生産方式」を具現化させることに忍耐強く続けたので高利益企業になったといえます。パナソニックも「人づくり精神」が寄与したので有力企業となりました。シャープや東芝は「人づくり精神」が破綻したので、現在のような状況へと落ち込んだと言えます。

ホンダもソニーも“マネジメント”により、ドラッカーの言うところの「凡人をして非凡をなさしめること」により成立した企業の代表なのでしょう。

一人で事業を行っている場合も同じで、もとよりトップマネジメントはいつ最終決断を一人で行わなければならないものなので、苦行の“なぜ”を「千思万考」する自分づくりが、将来の成果を実現させるうえでの、必須の“事業者の責務”となると言えそうです。

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【著者】 浅井良一 【発行周期】 ほぼ週刊

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