「ガスト」が起こしたイノベーション。お得感のない“ハーフサイズメニュー”はなぜ受け入れられたのか?

KANAZAWA JAPAN - OCTOBER 7, 2016: Japanese family restaurant Gusto sign.
 

顧客価値とは何か 

次に、「顧客価値」を定義しましょう。

顧客価値とは、顧客があなたの製品やサービスを“体験する”時に得る、満足感や効用、便益を指します。

顧客価値の中身は、製品やサービスの、品質、価格、利便性、サービス、ブランドイメージなど、様々な要素から成り立っています。

この“顧客体験”とは、製品やサービスそのものだけではなく、顧客が買ったり、契約したりする、前と後の過程、買う前にホームページで調べたり、買った後のアフターサービスも、含まれる、という点に注意しましょう。

企業の顧客価値アップの実践事例

企業が顧客価値を上げるために、どんな工夫をしているかを、事例で考えてみましょう。

私の古巣のAmazonでは、「顧客中心主義」を掲げ、顧客がとにかく便利にものを買えるとうに、利便性の向上を追求しています。

これは今でも変わらず、Primeサービスや、Echoのスマートスピーカーなどで、常に顧客体験を向上させる努力をしています。

ユニクロでいえば、大量に生産することで、高品質をキープしつつ、他者が真似できない手頃な価格を実現しています。

もちろんそれに加えて、エアリズムやヒートテックなどの、独自の機能性商品を開発して、顧客価値を高めていますよね。

次に、製品周りの事例で考えていきましょう。

Uber Eatsや出前館などのオンラインフードデリバリーは、お店の味を自宅で楽しめること、店舗に行く時間や手間を減らせること、といった、新しい体験価値を生み出しています。

ZoomやSlackなどのオンラインのリモートワークツールは、リモートワーク環境を整えたいという、ユーザーのニーズに対応する、新しい働き方を提供しています。

少しIT関連の事例を多く出しましたが、イノベーションは、なにも、ITに限ることではありません。

引越会社の事例を紹介します。愛知県にある引越一番という会社は、エディオンのフランチャイズを取得し、引越しと同時に、家電も販売しています。

引っ越す顧客は、エディオンと同じ価格で買え、販売店に探しに行く手間も省け、引っ越しの時に、その場で搬入もしてもらえるので、便利に感じてもらえるのです。

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