営業スタッフは「給料の3倍稼げ」などと言われ、ノルマや営業目標なども設定されて、必然的に“自分で稼ぐ”ことを意識します。しかし、会社の中には直接の数字が見えにくい仕事もあって、売上がなくても給料が振り込まれる生活に慣れると、そうした意識は持ちにくいもの。『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江さんは、社内クリエイティブの仕事や経理・人事などの仕事でも収益に換算できるとして、その考え方をレクチャー。どんな仕事でも“稼ぐ”ことを意識できる人は会社から頼りにされ、評価されると伝えています。
会社員が“稼ぐ”意識を持って仕事をするために
Question
以前、お給料は会社からいただくのではない、自分で稼ぐものと仰っていたかと思います。自分はフリーランスから正社員になりました。フリーランスだったころは「お金をいただくのではなく、自分で稼ぐ」という意識で仕事をしておりました。
正社員になった今、「自分で稼ぐ」意識が薄れてきてしまいました。自分は営業職のような、会社の売上に直結した業務をしておりません。また、フリーランスと違って、毎月決まった金額が振り込まれます。
どんなに仕事を頑張っても、全く頑張らなくても決まった金額が振り込まれます。毎月決まった給料が銀行口座に振り込まれる正社員が「自分で稼ぐ」意識を維持するには、どういった気構えで仕事をすればいいのでしょうか?
くだらない話ですみません。自分が怠け者で、ストイックな環境に身を置かないとメンタルが易きに流れているだけかもしれません。正社員のまま、易きになじまず難きにつくには転職しかないでしょうか。
永江さんからの回答
どんな仕事であっても、自分がいくらの収益を稼いでいるかを換算して、できるだけ利益を上げるように意識して仕事をすることが大事だと思います。質問者さんの職業が分からない中ではありますが、自分が獲得した売り上げや利益が分かりやすい営業やマーケ職でなかったとしても、あらゆる職業で自分の仕事が生み出している利益額は勘定できるはずです。
例えばWebデザイナーだったとしても、自分が担当している仕事で稼ぐ金額を増やすことはできます。営業にいくらで受注した案件なのかを聞いて、重要顧客から得た100万円の案件なのか、単発で来た3万円の案件なのかを把握し、100万円の案件により注力して品質を上げて追加受注ができたら会社にはより収益が生み出せますよね。自分を指名してくれたら個人として貢献度も上がります。
自分が貢献した収益額を考えているクリエイターなんてほとんどいませんが、会社で稼げる人間は「自分がいくら稼いでいるのか」を意識しているはず。
また、経理や人事といったコストセンターであっても、経理ならば、同じ仕事をする中でも、自分がどれだけの人件費(全体でかかっている時間)や業務コストを削減できたかを考えて、収益に換算することができますし、人事でも、自分が採用した人が創出した収益を見て、次はもっと稼げる人を採用しよう、長い間活躍してくれる人を採用しようと考えることができます。
勝手に自分で数えておいて、上司や社長に報告し、もっと稼ぐ・会社に収益を上げるためにこうしたいと相談などすれば、会社からも感心されもっと頼りにされることは間違いありません。たとえ会社員であっても、どのような職務であっても、自分が会社の収益にいくら貢献したのかを把握し、それを高めるように仕事をしていくことが重要だと思います。
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com