もはや成す術もなく、連日襲い来る災害級の猛暑に耐えるのみの人類。酷暑による犠牲者も増える一方ですが、気候変動による悪影響は暑さだけにとどまらないようです。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、地球沸騰化の様相を呈する世界各地の様子を紹介。さらに地球温暖化が人類にもたらす「災厄」について解説しています。
プロフィール:伊東 森(いとう・しん)
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。
日本、世界を酷暑が襲う ギリシャ、一部で砂漠化のおそれ アメリカ、アスファルトで転んだだけで「やけど」
日本、そして世界中を熱波が襲っている。とくに欧州や北米などで今月、猛烈な暑さとなったことについて、イギリスの大学の研究者らは、地球温暖化がなければ事実上、起こりえなかったとする分析結果を発表(*1)。
イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンやオランダの王立気象研究所の研究者らは1950年以降の7月と8月の最高気温のデータや複数のシミュレーションをもとに温暖化との関係を分析。
その結果、今回のような熱波は19世紀後半と比べ、たとえば中国では温暖化で少なくとも50倍起こりやすくなったほか、ヨーロッパやアメリカなどでは温暖化がなければ事実上起こりえなかったとする(*2)。
また熱波が発生する頻度も高くなり、中国では250年に1回がおよそ5年に1回に、ヨーロッパ南部では事実上一切起こりえなかったのが、およそ10年に1回になったと分析している。
一部の地域では、南米・ペルー沖の海面の水温が平年より高くなる「エルニーニョ現象」も熱波を強める要因となった可能性があるとも。
欧州南部や中国、アメリカなどでは今月、熱波が発生し、米カリフォルニア州デスバレーで気温が50℃を超え亡くなる人も出ているほか、ギリシャでは山火事で観光客が避難する事態にもなっている。
この熱波の中、欧州南部では扇風機やエアコンの購入者が急増している(*3)。欧州では戸締まりや屋内での休息など伝統的な方法による暑さ対策が一般的で、家庭用エアコンの設置はたとえばアメリカに比べはるかに少ない。
しかし、イタリア国内に500店舗以上を展開する家電量販店ウニエウロでは、7月21日までの週のエアコン販売台数が前年同期から倍増。
スペイン百貨店グループ大手のエル・コルテ・イングレスは、7月半ばまでの販売台数が昨年8月末までの数字を15%上回ったという(*4)。
目次
- ギリシャ 一部で砂漠化のおそれ
- アメリカ アスファルトで転んだだけで「やけど」
- 地球温暖化が引き起こす、さまざまな影響
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