ホンマでっか池田教授が難敵「中央線の遅延」を制して養老孟司氏と虫採りしてきた話

 

今年は、コロナ禍が多少収まって、早春に台湾に行かないかと誘われたのだが、ワクチンを3回以上打っていないと、出国したはいいが、帰国するには、現地でPCR検査を受けて陰性の証明が必要という、ばかげた制度があると聞いて、やめてしまった(私は2回しか打っていない)。その前の養老さんと一緒の虫採りは、2014年に北ボルネオに10日ほど遠征をしたのは覚えているが、台湾に2度ほど行ったのはいつだっただろうか。日記をつける習慣がないので、標本のラベルを見れば分かるのだけれども、俄かには思い出せない。ボケてきた証拠だ。

朝の8:50に羽田空港に集合だという。自宅からは2時間近くかかるので、朝起きが苦手な私にはつらい。それに困ったことに中央線は、やれ、人身事故だ、車両故障だと言って、頻繁に遅延する。少し早めに自宅を出たが、やはり多少遅延して、羽田空港には8:40頃着いた。

私にとって、飛行機の移動で一番嫌なのは、飛行機そのものではなく、中央線の遅延である。1日に数便しか飛んでないような地方空港では、飛行機に乗り遅れれば、講演は中止である。だから羽田に無事着くかどうかに最も神経を使うことになる。羽田に無事着けば、講演は終わったも同然なのだ。あとは飛行機が遅れようが途中で墜落しようが俺のせいではない(墜落すると命がなくなるのでイヤだけどね)。でも乗り遅れると、中央線が遅れた、という言い訳は地方の人には通じそうもない。

それで、飛行機は無事飛んで、長崎空港で乗り換えて対馬やまねこ空港に着いたのは13時過ぎだ。飛行機の中で養老さんとコロナ禍の話をする。初期の頃のバカ騒ぎは何だったんだろう、という話になる。何もしない方がましだったのではないかという結論で話は落ち着く。

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