「信頼関係」が地に落ちても利害第一。公明党と自民党の醜い関係

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10月22日に投開票された衆院長崎4区の補欠選挙で、公明党の推薦を取りつけた自民党の金子容三氏が当選しました。今年5月の公明党幹事長の「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」発言と矛盾する動きに疑問を呈するのは、評論家の佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、公明党が築いているのは「利害関係」と喝破した前川喜平氏の言葉を紹介。そんな公明党との関係が疑われる人物として、作家の佐藤優氏、小池百合子都知事、山本太郎れいわ新選組代表の名をあげ、動向を伝えています。

自公の信頼なき利害関係

公明党幹事長の石井啓一が自民党に対して「自公の信頼関係は地に落ちた」と発言したその舌の根も乾かないうちに、公明党はたとえば長崎の補選で自民党の世襲候補を応援し、勝利させた。

石井の発言には「東京で」という注釈がついていたから問題はないと居直るかもしれないが、東京ではダメで長崎ならいいというのは公党の信頼関係と言えるのか。

いまや確かなファンのいる「3ジジ放談」(ユーチューブで流れる)で私がそう言ったら、前川喜平がズバリ、「それは信頼関係ではなく利害関係ですね」と指摘した。

公明党(創価学会)批判のユニークな雑誌『フォーラム21』の10月号に私は「創価学会の守護神の“言論封殺魔”」と題して佐藤優批判を寄稿したが、同じ号で溝口敦が「池田名誉会長は組織内にあってジャニー喜多川氏以上に神格化された存在」と書き、芸能関係の創価学会員を次のように挙げている。

久本雅美、柴田理恵、山本リンダ、岸本加世子、石原さとみ、上戸彩、井上真央、滝沢秀明、氷川きよし、加藤茶、仲本工事、研ナオコ、芸能関係ではないが、野球の栗山英樹も落とせないだろう。

佐藤優については同誌の2020年3月号に古川利明があまりの「安倍(晋三)自公政権の守護神」ぶりに驚いた、と書いている。

朝日新聞出版で出している『アエラ』の同年2月17日号「佐藤優の7DAYS 実践ニュース塾」で「黒川検事長の定年延長『総長』なら問題ない」と題して「法務・検察のトップ人事も究極的には、国民の直接選挙によって選出された国会議員から選ばれた内閣によって統制されるべきだと思います。その観点で、能力主義に基づいて黒川氏の定年を検事総長への就任含みで延長したことは、国家公務員法に基づいてなされたので問題はありません」と佐藤はお墨付きを与えているのである。

選挙で選ばれたら何をやってもいいと言っているわけで、「能力主義に基づいて」なら林真琴であることは明らかなのに詭弁も甚だしい。黒川がいたから、大臣室でカネを受け取った甘利明も捕まらなかったし、森友学園事件の財務省理財局長、佐川宣寿も不起訴になってしまった。

信頼関係ならぬ利害関係で学会および公明党と現在「良好な関係」を保っている人に都知事の小池百合子がいる。『フォーラム21』の2020年8月号によれば「過去の人」と化していた小池が一連のコロナ禍対応で存在感を取り戻し始めると、公明党はさっそくスリ寄り、幹事長(当時)の斎藤鉄夫が記者会見で「党内組織を使って(小池の支援を)徹底している」と明かした。

また、現役創価学会員の野原善正が2019年の参議院選にれいわ新撰組から立候補した時、出馬表明の記者会見に同席した代表の山本太郎は池田大作を「本物の平和主義者」と絶賛した。どうしても私がれいわ及び山本を信じきれない理由がそこにある。

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