ロシア優勢で変わる空気感。ついに「第3次世界大戦」へと向かい始めた国際社会

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終わりの見えないウクライナ戦争に、一般市民への虐殺が続くガザ紛争。アジアでは中国の脅威が増大し南米でも戦火が上がる寸前まで事態が悪化するなど、国際社会を取り巻く環境は厳しいものとなっています。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、かような状況にある世界において日本が果たすべき役割を考察。さらに日英独が中心となって「NATOに代わる民主国の組織」を作り上げる重要性を説いています。

第3次世界大戦に向かう世界

世界情勢が大きく変化している。ウクライナ戦争、パレスチナ戦争の他に、南米でもベネブエラがガイアナの7割の土地を自国領土と主張している。中国も南シナ海でフィリピンのEEZ内を自国領土として、フィリピンの船に放水するなど、世界各地で紛争を起こしている。この現状と今後を検討しよう。

ロシアが優勢になると、世界の雰囲気は大きく変化する。南米でもベネズエラが、「2015年に海底油田が発見されたガイアナ」のエセキボ地域の領有をベネズエラに併合するとした。このエセキボ地域は、小国ガイアナの国土の3分の2以上を占める。

米軍は12月7日、ガイアナへの協力を表明した。ブラジルも軍をガイアナ国境近くに移動させている。このため、ベネズエラとガイアナの首脳は14日、エセキボ地域を巡る論争で、互いに対して武力を行使しない方針を明らかにし、合同委員会を創設し、領土問題の解決に当たることで合意した。しかし、解決できないと軍事力行使もまだ可能性としてある。

このため、ベネズエラのマドゥロ大統領は、エクソンモービルなどにエセキボ地域から3ヶ月以内の撤退を要求してきた。米国の死守すべき米国圏内でも戦争が起きる可能性が出ている。

米国の戦争研究所も、ロシアがウクライナに勝利すると、米国は再び高まるロシアの脅威から欧州や世界を防衛する必要が生じるなどとしてウクライナへの支援を打ち切るよりも続けたほうが有益でコストを抑えられることになると指摘した。

中国もフィリピンの南シナ海で領土を主張しているので、火が付く可能性があるが、共産主義国との戦争をしないようである。

中国とベトナム両政府は12日、両国関係について従来の「包括的戦略的パートナーシップ」を深化させ、戦略的運命共同体を構築すると合意した。中国の習近平国家主席が訪問先のベトナム・ハノイで同国共産党の最高指導者チョン書記長と会談して確かめた。

中国は、不動産バブル崩壊し、金融危機に向かっている。11月下旬、中国の大手資産運用会社の中植企業集団(中植)は自社が「深刻な債務超過」に陥ったと発表した。約2,000億元(約4兆600億円)の保有資産に対し負債は推定4,600億(約9兆3,400億円)という。

地方政府職員の給与も半年なしだという。次には年金基金が底を突き、高齢者層の貧困化が始まり、国民の不満がピークになる可能性が高い。この状況でも中央経済工作会議では、有効な対策が出てこなかった。そして、中国政府は、経済への批判的論評なども処罰するというので、経済不振も隠すようである。

それでも、不満は出ることで、この不満を解消させるには、国民の目を外部に向けていく必要がある。

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