あなたのおうちでは、たとえマンションやアパートでも「表札」を出していますか? 今回のメルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さんが、マンションにおける「表札を出すか否か」の話題について紹介しています。
「表札を出す」に変わる人間関係の作り方
こんにちは! 廣田信子です。
マンションコミュティ研究会では、12年前の第6回フォーラムで、「表札等に関するアンケート調査報告」と、「管理」と「コミュニティ」の融合の中から人材が育ち、より魅力的な住環境に育っていく未来を考えました。
何だか夢がありますね。
このアンケート調査はセミナー参加者、知り合い等に声掛けをして600名を超える回答を得ました。
その結果は、「ほとんどの人が表札を出している」が38.4%、「2/3程度」が19.9%、「半数程度」が13.2%、「1/3程度もしくはごく少数」が24.5% でした。
実は、このアンケート調査を思い出したのは、ある出版社から、この内容を使わせてほしいとの申し出があったからです。
私は、10年以上前のこの結果を出していいのか悩みました。
今は、もっと表札を出していない住戸が多いことは明らかだからです。
この時の回答では、表札を出さない理由として一番多かったのは、
「犯罪に利用されたくない」で34.8%、
「周りが出していないから」が19.3%、
「面倒で何となく」が17.8%でした。
まだこの時は表札を出してないことを好ましくないとする意見が多数ありました。
同時に、マンション等でサークル活動等を通して人間関係ができるなら表札にこだわらなくてもいいという意見もありました。
今、新築のマンションでは表札を出さないことが当たり前になっています。
当時、大規模修繕工事時に、表札を作成して表札を出すことを促したマンション、入居時から表札を出してもらうことを前提にしていたマンションでは、その後どうなったか気になります。
その後も、入居者が変わるときに表札表示を続けているのかどうかです。
多くの高経年マンションでは、「高齢一人暮らしになって、危ないので子供の指示で外した。」
「居住者の入れ替わりで、新入居者が表札を出さないので表札がどんどん減っている。」
そんな状況があるようです。
みんなが出さなくなると表札を出すことを考えなくなります。
同時に、今はSNSで居住者がつながります。表札を必要としない関係が若い人たち中心に築かれています。
それを積極的にとらえて、今の若い人たちの人間関係の作り方を知り、高齢者もうまく巻き込んでいく方法を考えたいと思い、またアンケート調査をしたいと思い始めています。
image by: Shutterstock.com