小林製薬「紅麹」禍を招いた、安倍晋三元首相の「演説」と「功績」…陰謀論ではないアベ友と機能性表示の闇(辻野晃一郎氏)

 

「機能性表示を、解禁いたします」安倍元首相の演説動画

なお、機能性表示食品の解禁に先立ち、安倍元首相は2013年6月の内外情勢調査会の講演で以下のような演説を行っています。

健康食品の機能性表示を、解禁いたします。国民が自らの健康を自ら守る。そのためには、的確な情報が提供されなければならない。当然のことです。

現在は、国から「トクホ」の認定を受けなければ、「強い骨をつくる」といった効果を商品に記載できません。お金も、時間も、かかります。とりわけ中小企業・小規模事業者には、チャンスが事実上閉ざされていると言ってもよいでしょう。

アメリカでは、国の認定を受けていないことをしっかりと明記すれば、商品に機能性表示を行うことができます。国へは事後に届出をするだけでよいのです。

今回の解禁は、単に、世界と制度をそろえるだけにとどまりません。農産物の海外展開も視野に、諸外国よりも消費者にわかりやすい機能表示を促すような仕組みも検討したいと思います。

目指すのは、「世界並み」ではありません。むしろ、「世界最先端」です。世界で一番企業が活躍しやすい国の実現。それが安倍内閣の基本方針です。

この演説は、ユーチューブの首相官邸チャンネルの動画にも残っています。頭出ししておきましたが、以下のリンクの11分23秒あたりからです。

安倍総理「成長戦略第3弾スピーチ」(内外情勢調査会)-平成25年6月5日(YouTube動画)

いかにももっともらしいことを言っているように聞こえますが、詰まるところ、国は企業の利益や経済を優先して国民の安全には関知しないので、自分の健康は自分で守れ、と言っているようなものです。

この動きに関しては、共産党の穀田恵二議員をはじめ、当時の国会でも疑義が表明されていました。以下は上記の安倍氏の演説の翌2014年3月のものです。

小林製薬の紅麹問題 10年前にあの人が予言してました(YouTube動画)

また、全国消費者団体連絡会日弁連主婦連合会なども健康被害のリスクを危惧して、行き過ぎた規制緩和の見直しを求めていました。

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