【突然死の科学】“不眠を気合で克服”は原始時代まで?意外と知られていない「睡眠」の重要さ

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睡眠時間を増やすには

まず、睡眠時間を削って仕事を・・・趣味を・・・という発想をやめましょう。睡眠不足によって、思考に必要な脳の神経伝達物質も枯渇し、楽しみや幸せを感じるための伝達物質すら枯渇していくことを考えると、睡眠時間を犠牲にし続けるのは得策ではないのです。

睡眠時間ありきでスケジュールを組む・・・これに尽きます。それにあたり、まずは自分にとって最適な、また最低限必要な睡眠時間はどれくらいか、日々自分を観察して出しておくのが必要になるわけです。

そもそも「快適な暮らし」というのは衣食住が満たされて初めて完成するものです。例えば冬の寒い日にエアコン代をケチりにケチって始終寒い思いをして、ギャンブルやタバコなどの嗜好品にお金を使うような本末転倒なことは、あってはならないわけです。むしろ快適な暮らしをするために光熱費がかかるなら、そのために働くのです。

すでに睡眠自体に障害がある場合、寝付きが悪い、長時間寝ていても寝た気がしない、といったものは、速やかに専門病院で治療を受けましょう。

精神疾患は心の病と言われていますが、人間を化学の目で見れば、しっかりと脳内の受容体の数や伝達物質の量、その他脳内ホルモンのバランスがおかしい異常状態になっています。つまりは「病気」なのです。

不眠症は聴診器で分からない、顕微鏡で見れないだけで、しっかりと機能不全を起こしている「病気」なので、治療が必要なのです。最近では、画像診断や血液診断も出来るようになってきましたが、まだまだ精度は微妙です。

とにもかくにも、不健康の積み重ねは死ぬことまで行かずとも、必ず病気という形でツケを回収されます。しゃにむに働いても、病気ですべてを無為にしては意味が無いわけです。
(文/くられ)

第1回:【ちょっと横になるわー】風邪のウイルスでも原因になる、30代、40代の突然死

著者/くられ
シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。まぐまぐ!からは、無料メルマガ「アリエナイ科学メルマ」を絶賛配信中。
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