改憲より「サクラ逃れ」を選ぶ安倍首相が打つ解散選挙の大バクチ

2019.12.05
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次から次へと明らかになる「桜を見る会」疑惑追求のため、国会会期延長を求める野党の要請を、頑として受け入れようとしない自民党。そもそも安倍首相は、憲法改正への足がかりとなる「国民投票法改正案」の今国会での成立を目論んでいたとされていますが、悲願の改憲を「先送り」するかのような動きの裏にはどんな事情があるのでしょうか。有名ブログ「きっこのブログ」の著者にして、メルマガ『きっこのメルマガ』で毎週社会問題を独自の視線で切り続ける「きっこ」さんは今回、「考え得る2つのシナリオ」を提示するとともに、首相が解散総選挙に打って出る可能性についても言及しています。

逃げ回る安倍晋三、ゴールまで逃げ切れるか?

今も人気沸騰中の「桜を見る会」ですが、とても面白いことがあったので、皆さんに報告させていただきます。「桜を見る会」に、安倍晋三首相だけでなく、安倍昭恵夫人も自分の友人知人を招待していたという問題に関して、「森友学園問題の時には野党からの参考人招致を回避するために『首相夫人は私人であるという閣議決定までしたのに、その私人が国の功労者を決めて招待するのはおかしい」という声が相次ぎました。そこで、あたしは11月28日に、次のツイートをしました。


きっこ @kikko_no_blog
森友学園問題で野党が安倍昭恵の参考人招致を要求したら「首相夫人は私人である」と閣議決定して要求を拒否した安倍内閣。今度は「首相夫人は「桜を見る会」の時だけは公人扱いとなり招待者枠が与えられる」とでも閣議決定するのかな?
11月28日

もちろん、これはジョークのつもりでツイートしたものです。そして、あたしの狙い通リに、けっこうフォロワーさんたちにウケました。それなのに、この次の日、とんでもないことが起こったのです!このあたしのジョークが、現実となってしまったのです!

この問題については、立憲民主党の熊谷裕人参院議員が「私人である安倍昭恵夫人が「桜を見る会」の招待者を推薦できる法的根拠」を尋ねる質問主意書を提出していました。すると、安倍内閣は11月29日、「桜を見る会での安倍昭恵夫人による招待者の推薦は、安倍晋三首相の公務の遂行を補助する一環である」という答弁書を閣議決定したのです!その上「安倍昭恵夫人が『公人ではなく私人であるという認識に変わりはない」として従来の見解を維持したのです!これって、前日にあたしがツイートした内容と99%同じというか、もしかして、あたしのツイートを参考にしたのでは?…と思えるほどのトンデモ閣議決定じゃないですか!

…というわけで、こんな面白いことも起こりつつ、この「桜を見る会」の問題は、主犯の安倍首相が国会に出ずに逃げ回っているため、次々と発覚する新疑惑がすべて宙ぶらりんになって積み重なり、冬だと言うのに桜の山は満開になってしまいました。そして、「牡丹」なら猪肉ですが、「桜」と言えば馬肉なので、安倍首相は、かつてのミホノブルボンやサイレンススズカのような大逃げをかまして逃げ切ろうと必死です。

安倍首相という駄馬の調教師である今井尚哉補佐官が立てた作戦は、12月2日を最後に国会に出ずに12月9日の会期末まで逃げ切れば、あとはゴルフでもしているうちに年が明け、新年になればバカな国民どもは桜を見る会のことなど話題にしなくなる…という、加計学園問題の時とまったく同じ「逃げ切り作戦」でした。そして、この作戦を成功させるためには、どんなに野党が要求しても、絶対に会期延長だけは突っぱねなければなりません。会期延長などしたら、安倍首相は厳しい野党からの追及によって、逃げ切りどころかゴール手前で落馬してしまうからです。

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