ビジネスの場において「運」を語ることはナンセンスという風潮もありますが、成功者の中にははっきりと「自分は運が良かった」と口にする方もいます。そもそも運とは何なのでしょうか。そしてそれを掴み幸せになるためには? 無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、そんな疑問に光を与えてくれるような1冊を紹介しています。
『偶然のチカラ』 植島啓司・著 集英社
こんにちは、土井英司です。
成功した経営者のなかには、少なからず「運がよかった」と語る方がいらっしゃいます。
しかしながら、ビジネスの世界では、なんとなくこの「運」を語ることはタブーとされている。
そこで本日は、この「運」について徹底的に考えられる1冊をご紹介します。
本日ご紹介する1冊は、『偶然のチカラ』。宗教学、人類学などを専門とする著者、植島啓司さんが、古今東西のあらゆる事例を引きながら、人間を翻弄する「運」について論じています。
確率に挑んだ数学者たちの話から、ギリシャ神話まで、幅広いトピックを通して、運とは何か、幸福とは何かを議論しており、10年前の本ながら、今にピッタリの内容です。
- なるべく選択しないですますこと
- 選択肢が出払ってから考えてもムダではない
- ただぼうっとしているだけで幸せな状態こそ、本当の幸せ
など、ビジネス書的な価値観からするとあり得ないメッセージですが、じつは縁や偶然に委ねることの素晴らしさを説いた本です。
「決まりきった日常とは異なる多くの選択肢を持つ必要がある。自分を世界に開いてくれるものならなんでも受け入れるべき」というメッセージは、今の保守的な日本にこそ必要なメッセージではないでしょうか。
ページ: 1 2